当麻喜明

荒幡富士でカノープスを見る-月と金星の接近

2011年2月 2日 | 当麻喜明 | Comment[2]

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1月最後の天体観察二題です。まず30日の明け方金星と月が接近しました。新聞配達の方は早起きです。我が家には牛乳も届けられますが、きっと美しい夜明けの中で仕事をされていたことでしょう。31日の夜は荒幡富士に登り、カノープスを見ました。この日21時22分に南中することが分かっていたからです。

PENTAX DA 70mm & 15mm Lmited + Pentax K5


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東と西に覗ける窓があると空を見るのが楽しいです。

金星は見えるかな?
月は見えるかな?

面白い天象現象があるときは、カーテンを開けてちらちら確認します。
晴天続きなので寝不足です。


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望遠レンズではなく切り出しです。


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この日は撮影後、ほんの僅か睡眠をとりました。
朝日が昇る前でした。


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荒幡富士山頂方向に、子犬座や大犬座、オリオン座、牡牛座が鎮座します。
冬の天の川が見える方向ですが、ここでは満点の星とはいきません。


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山頂から南の視界です。

オリオンがこんな格好に見えたら、街にいても、南の地平が見えなくても
私は「カノープス」が見えるだろうなあと考えます。


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ファインディングチャートをつくりました。

1月31日の南中時刻は21時22分です。2月1日は21時28分です。
以後毎日6分づつ早くなります。


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70mm撮影画像をトリミングしました。

南中でも高度は低く、東京での地平高度は2度ほどです。
空気の浮き上がり現象で、これより少し高く見えます。

斜めの厚い空気の層を抜けた光なので、赤みがかり全天でシリウスに次いで
二位の光度を誇るカノープス(-0.7等)でも見るのは大変難しいです。

中国の呼び方で南極老人星というのがあります。「布良星(めらぼし)」とは
日本での呼び方です。房総半島の南端にこの地名があります。
「めらぼし」「メネラオス」という説もあります。

紀元前トロイヤ戦争のメネラオスの船の水先案内人の名がカノープスだったと
記されているそうです。古くは航海の目印に使われ、現在でも宇宙探査機自身の
位置認識に使われることがあるそうです。

この星を見た人は長生きできるとの伝説もあります。
私も苦労して見付けたので、そうありたいです。


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荒幡富士から東京方向の夜景です。スカイツリーから東京タワーまでです。
ここからカノープスは東京市部・神奈川とぬけて、三浦半島の方向に見えます。
そこからは太平洋です・・・

そんな環境がカノープスを見やすくしているのでしょう。
長生きしたいなら荒幡の富士登山です。



Comments [2]

カノープスが高い所にあるので昨年見えたのは間違いかなと思いました

昨日は残念でしたね。私は観察者は一人だと思っていましたが
先客がいてびっくりしました。

http://toma.ootaki.info/astro/winter/2013-0106-toma/

18時頃南に向かった乱層雲が、帯のようになってカノープスを
ふさいでしまったようです。今年1月6日の観察を上のコラムに
まとめています。ご覧ください。時間と天候が良い重なりをすれば
絶対観察できますから、思う存分見て、お互いに長生きのご利益を
受けたいですね!訪問ありがとうございました。

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