当麻喜明

小雨の中に秋を探して-ジャコウアゲハ幼虫

2011年8月28日 | 当麻喜明 | Comment[6]

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小さなセミの抜け殻を見付けました。今まで気が付いていたものと比べて明らかに小さく、背もピンと伸びています。気が付けば、夜はセミの合唱に混じって、鳴く虫の音が草原や樹上から聞こえ始めました。

Lumix G2 & Ricoh GRDⅢ


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夏の終わりに登場するツクツクホウシの抜け殻のようです。
他のセミが少し減った頃、明瞭なサウンドを聞かせてくれます。


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ツクツクホウシの地下生活は1-2年だといいます。
包容力のある樹の根本でじっと成長を続けていました。

見上げれば一本のヤマザクラの樹表にコケ類やキノコも・・・
立派な生態系がつくられています。


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今日の樹液酒場は閑散としていました。
コウガイビルがゆっくりはっていました。

大瀧さんが水上高原で遭遇した血吸蛭の仲間と違って
プラナリアに近いヒトに無害というのですが・・・


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ツリガネニンジンの小さな釣り鐘。
夏の草苅の後でも、地下の発達した根からは再び茎を伸ばします。
小雨の中の撮影でした。


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ウマノスズクサに、教科書通りのジャコウアゲハ幼虫。


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本人は他の捕食者に「私は見たとおり毒があるのよ!」と主張した
トゲトゲのデザインだといいます。

しかし私には、昔のフジテレビの深夜のヒツジに見えました。


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どんなもんでしょう。


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幼虫には4対の腹脚が見えます。クモやカマキリには
美味しそうな肉球に見えるのでしょうか。


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トゲトゲで毒々しいデザインと言っても、何か愛嬌を感じます。
茶色い金平糖にも見えます。


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オニドコロにマメコガネ。


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文一総合出版の「昆虫の食草・食樹」の図鑑には後ろから見ても
「顔」に見えると記載されています。

独特の威嚇のポーズですが、後脚の先端のツメは後ろの顔に対して
手を広げた感じにポーズしています。

クモも負けずに「ワーッ!」とやっています。


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シロオビノメイガ。
ホウレン草の害虫といいます。発生は6-11月と長いのですが、
ピークは8月後半です。

このガで「秋」を感じる昆虫観察者もいるのでしょう。


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多分キアゲハでしょう。
アゲハチョウも夏の終わりには黄色化するので、識別は難しいです。

この個体は既に睡眠に入っているようでした、

まもなく丘陵の空にアカネが戻ってきます。
「秋」はだんだん大きくなります。

Comments [6]

No.1

ジャコウアゲハの蛹は金色だそうです。幼虫も蝶もいまだこの目で
見たことはありません。
幼虫はかなりグロテスクですよね。でも見たい、見たい。
ウマノスズクサはよくわかりません。一般的な植物ですか?

我が家の三つ葉に付いたキアゲハの幼虫。そのままだと蜂の餌食
なので、お助けしました。外の三つ葉は枯れてきたので、急遽
スーパーの三つ葉を買ってきて与えました。
三つ葉を洗わずに与えました・・・それが失敗でした。
幼虫の一部がダウン。三つ葉に何か薬剤が付いていたのでしょうか。かわいそうなことをしました・・・。自然の摂理に反した
行為はやはりいけませんかね~。

狭山丘陵でもジャコウアゲハは減ってきとるかも知れん。ウマノスズクサはこの時期の草苅で一斉除草されることもあるんじゃ。ウマノスズクサの毒をそのまま引き継ぐので、成虫にも毒がある。なぜ知っとるのか不思議だがクロアゲハやナガサキアゲハ、アゲハモドキは本種を真似ておるんじゃ。

残念だが南方系のアゲハで、秋田より北での確認はされていないんじゃ。

シロシタ教授、ありがとうございます。
そうですか・・・ジャコウアゲハは南方系なんですか。
山形ではお目にかかるのは無理ですか・・・残念です。

残念ですが、小さい命が育つのには試練がたくさんありますね。幼虫同士でもエサの葉が無くなるとジャコウアゲハなどは共食いを始めるそうです。m.tadaさんと似た経験をされた方がいらっしゃいます。

http://lapis2009.blog.so-net.ne.jp/2011-08-11-1

自然の世界のままでも幼虫たちは厳しい食物連鎖が待っています。生物ピラミッドの下の階層の生き物にとってはつらいですよね。育つのが「偶然」なんですから。それは産卵する卵の数からも察せられます。

前述の「野の虫」さんは「虫ガール」です。m.tadaさんも山形の虫ガールですね!!

toma先生
「虫ガール」は嬉しいですが、「ガール」はいただけません。
こそばゆいです。
しいて言えば「山形の虫おばさん」でしょうか。

No.6

m.tadaさんや柚子さんに「虫ガール」の称号を与えたのですが、お二人とも遠慮がちです。はじめから「虫子」だったら良かったかな?「虫おじさん」という称号もあるのですね。

中学生くらいだと虫の好きな女の子は、「これって、変な趣味なのかなあ」とか「おまえ変なヤツ!」と言われがちです。このコラムは現役の教え子たちも読むので、虫子さんや虫ガールさんや虫おばさんが登場すると、将来の女性自然科学者の卵たちが安心するかも。

ジャコウアゲハ見付けましょう!
温暖化で北上は続いているようですよ。

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