コブスジサビカミキリが極細の爪楊枝のような枝なら、こちらは遙かに現実的なサイズです。虫眼鏡を通さなくても驚きの擬態に感心するでしょう。ツマキシャチホコの仲間はよく似ていて難しいですが、こちらはムクツマキシャチホコだろうと思います。
Olympus OM-D EM-5 + LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8/45 ASPH.
巧に小枝に化けるのに、何万年をかけたのだろうか。
「蛾は昼間には何処にいるんですか?」
「目は何処にあるんですか?」
撮影中に質問されました。捕食者から逃れるためにこのデザインなら、昼は
木にいるか、地面にいるだけで木片や落ち葉に十分紛れそうです。
そして成虫は何も食べないのです。獲物は(植物を含め)何もとらないので、
ハンミョウのような獲物を捕らえる鋭い目は必要ありません。
蛾の目って、とてもつぶらな可愛いのが多いです。
キマダラヤマカミキリとアオカミキリ。鋭い口器は、柑橘類などの表皮を
食べるために使われます。ツマキシャチホコの敵ではないようです。
カメムシも弱者です。これらクサギカメムシ、クロホシカメムシや
エサキモンキツノカメムシの命の守り方は簡単です。地面に落っこちて
紛れる、死んだようにひっくり返って欺くです。異臭も武器の一つです。
ここにはチャバネアオカメムシとクモヘリカメムシの仲間らしきものが。
さて、再び木片の登場です。こちらはムクツマキシャチホコのよう。
室内で許可いただいて撮影。このとき前述のご質問をいただいたのです。
こちらはツマキシャチホコのようです。彼らは枝をポキッと折ったときの
折れ口の表現を、誰から学んだのでしょう。私たちは「枝の折れ口」を
こんなにしっかり観察しているでしょうか。
アミメケンモンとニワトコドクガは、
「鳥たちは自分の糞まで食べないだろうぜ」ということで、どうやら糞を
真似たようです。この発想をする虫は多く、多種多様な糞の擬態をした
生き物がいます。
ウコンカギバやアオアツバ、アトキスジクルマコヤガは林の地面の枯れ葉に
のっていたら、鳥だってヒトだって、見付けるのは難しい。
今朝早朝の観察種の中でホッとした1枚。
コヨツメアオシャクの淡いパステル調のグリーン。
今は夜。燈火の下という目立つ場所でも、多くの虫たちは安心だ。
(それを狙う強い虫もいるけれど・・・)
いや、違うようです。生き続けることで油断をしたら負けるのです。
今、燈火の周りでぐるぐる飛んでいた生き物は、そこに突っ込んできた
空飛ぶ哺乳類から逃れるすべはなかったのです。
コメントする