小川の源流をたどるように森の中へと入っていきます / 2010年6月10日
5月に入るのと同時にトンボも狭山丘陵にあらわれました。私たちの週末観察は5月中は皆勤賞で、6月もきっとそうなることでしょう。天気のよいこの日、いつもは入らない丘陵深部の小川の源流へと進んでいきました。
小川をまたごうとしたとき、足元の草むらからふっと、黒いトンボがゆらゆらと真上に飛んでいき、樹の葉の中へと入っていきました。今年はぜひみて見たいと思っていた、ムカシヤンマでした。
丘陵深部の小川の源流の森の中を歩いてみましたが、なかなかムカシヤンマは姿を見せてくれませんでした。ふーっと、小川の岸の日なたに何かがきらりと動いたように見えました。よくみるとムカシヤンマでした。カメラを向けると飛び上がり、樹の幹にセミのように羽根を広げたまま張り付いくようにとまりました。あわてて撮った画像です。角度がよくないのですが、黒い胴体の黄色の模様が見てとれます。何とも古めかしい模様を見ると、お土産屋さんの店先にあるおみやげを、なぜか思い浮かべました。ネット上の情報だと、人を怖がらないとあったので、一歩近づくと、ふーっと真上に飛んでいってしまいました。撮影できたのは、このワンチャンスでした。
シオカラトンボのメスです。水面で縄張り争いをしているオスたちから距離をおいた草むらで日向ぼっこをしていました。オスのように白く粉を吹かないですが、黄色の胴体にX型の模様が見えます。
ショウジョウトンボのメスです。太陽に向かって尾の先端を向けています。昨年、オスの真っ赤なトンボの逆立ちを、西久保湿地で見つけました。
ショウジョウトンボのオスです。逆立ちをしていません。
池の水面を見ると、アメンボが動いているのかと思ったら、この小さなイトトンボでした。立ったときには、見つけることができないほど、か細いトンボは、アジアイトトンボだと思います。イトトンボは種類が多く、同定のポイントになる胴体や尾の先端の、クローズアップを撮影する必要を感じました。
水草に交尾しながら産卵しているのは、オオイオトトンボだと思います。このトンボはセスジイトトンボなど似ていて迷いました。一番わかりやすい特徴は目の間の青い模様なのですが、ちょうど隠れてしまいました。この画像の右端に横取りをしようとする、白く粉を吹く成熟したオスが写り込んでいました。
池から離れた遊歩道を歩いていると、私の周りを1頭のトンボがぐるぐると周り始めました。オニヤンマのようなつやのない黒い胴体ですが、オニヤンマよりも小さく、よく見かける シオカラトンボに近い大きさです。ときおり、翅と翅がぶつかる不気味な音が聞こえます。ヤンマの中では一番小さいサラサヤンマです。
サラサヤンマは、私を威嚇しようと思ったのではなく、この男と遊んでやろうと思ったようでした。私のまわりをいったりきたりしながら、何回もホバリングしてくれました。私の前1mほどのところで、ぴたりととまってくれました。
シオカラトンボのオスです。日が落ちると、トンボたちが姿を消していきます。たくさんのトンボを見ることができた気温の高い1日でした。
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