大瀧雅寛

狭山丘陵でマルタンヤンマの産卵に遭遇

2010年7月15日 | 大瀧雅寛 | Comment[4]

キイトトンボの羽化 / 2010年7月11日

天気がいまひとつの日曜日ですが、狭山丘陵にでかけました。この朝もたくさんのトンボが羽化をしたようですが、私が到着した朝9時には羽化をしているトンボをいませんでしたが、いくつかある池を一回りすると、キトトンボがヤゴからでてきました。黄色が美しいイトトンボですが、羽化したてのキイトトンボは、夜光塗料のような自らが発光しているようでした。


狭山丘陵でマルタンヤンマの産卵に遭遇

キイトトンボのオスは、胴体の先端に黒い模様があります。この模様以外にはオスメスを区別する目印はないようです。キイトトンボはオスメスの区別が少ないのですが、オオシオカラトンボや、 シオカラトンボなど、オスとメスが違うトンボのような種類もあります。きっと子孫を残すために重要な役割があるのでしょう。

黄色の胴体に黄緑色の眼、とてもおしゃれなトンボに逃げられないように、ゆっくりと近づいてトンボがハンサムに見える位置を考えて撮影します。このハンサムなトンボも逃げた方がいいか、逃げなくてもいいか考えていたことでしょう。

狭山丘陵でマルタンヤンマの産卵に遭遇

どのトンボにも6本の脚があります。このように茎につかまって体の水平を保つためには、脚にどのような力の流れがあるのか想像してみます。脚のような棒状のものにはふたつの力の流れがあります。「引っ張る力」と「圧縮する力」です。それぞれの脚にはどちらの力があるのでしょうか。

後脚から考えると、胴体の重みを支えるため、茎を押していると考えられますので、後脚には「圧縮する力」が作用していることでしょう。前脚はその反対に頭を茎に近づけるように「引っ張る力」が作用しているようです。中脚も、位置が後脚よりも前脚に近いので「引っ張る力」が作用しているようです。そう考えて、画像をよく見ると、前脚、中脚は茎につかまるように、後脚は茎にのせるようになっていました。

狭山丘陵でマルタンヤンマの産卵に遭遇

アジアイトトンボのメスです。眼が水晶玉のようです。この画像のように斜め上から撮影すると、トンボの全体にピントを合わせることができません。眼にピントを合わせると、胴体の先端がピンぼけになってしまいます。トンボ全体にピントを合わせるためには、上の木イトトンボのようにトンボに平行になるようにカメラを向ける必要があります。

狭山丘陵でマルタンヤンマの産卵に遭遇

アジアイトトンボのオスを真上から撮影しました。背中の黒い模様がオスらしさを感じさせます。

狭山丘陵でマルタンヤンマの産卵に遭遇

ナルシストなハグロトンボです。水面に映る自分の姿を見ているのでしょうか。ハグロトンボは水面に近いところにとまることが多いです。トンボによってとまる場所が違います。小さいイトトンボの仲間は草の茎につかまり、大きなヤンマの仲間は、体が重いのでぶら下がるようにとまります。また、長い脚をもて余しても無理をして枝の上にとまるコオニヤンマもいました。

狭山丘陵でマルタンヤンマの産卵に遭遇

観察の合間、遊歩道の丸太の手すりに座っていると、私の目の前を、ブロンズの大きめなトンボが横切りました。そのトンボは水草の茎につかまろうとしています。

狭山丘陵でマルタンヤンマの産卵に遭遇

マルタンヤンマのメスでした。初めて見るトンボに興奮しながら近づいていきます。

狭山丘陵でマルタンヤンマの産卵に遭遇

茎の中に直接、卵を産み付けています。何個も産み付けているのでしょう。水面に沈みながらも産卵を続けています。何カ所かに産卵をすると、水面から離れ、森の中へと消えてしまいました。調べてみると、このトンボは産卵以外は森の樹の枝にぶら下がりながら、体を休めているようです。

スリリングな撮影が楽しみで、来週末もまた、狭山丘陵に撮影に当麻さんといくことになるのでしょう。

観察したトンボ(多い順):オオシオカラトンボ、 シオカラトンボ、キイトトンボ、ショウジョウトンボ、アジアイトトンボ、マユタテアカネ、マルタンヤンマ

Comments [4]

No.1

きれいな色のトンボですね~!
私も、標本でもいいので、見て見たいです!

No.2

生物の進化には、確実に子孫を残していくための合理的な理由があると思いますが、なぜ、キイトトンボは、美しい黄色を選んだのでしょうか。天敵に見つかりやすいと思うのですが、そのことよりも、「美」を優先したのでしょうか。

No.3

もしも、「美」を優先したのなら、とても、きれいな話になりますね。
とんぼが、「美」を選んだ。とても、きれいな言葉ですね。そう、思っておきます!!

No.4

建築士の視点から「トンボの着地姿勢」を観察すると面白いことがわかるのですね。
トンボは「引っ張る力」「圧縮する力」で泊まっているんですね。面白い観察眼を教えていただきました。ありがとう!!

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