当麻喜明

メリハリある色を持つ昆虫たち-狭山丘陵西部の森から

2010年8月15日 | 当麻喜明 | Comment0

 緑のカーテンの向こうのコフキゾウムシ 

太陽が高くのぼり、森の緑が鮮やかです。その緑との距離をぐっと縮めてみると、保護色とは反対に「はっ!」と目立つ昆虫たちがいます。キイトトンボの黄色、ショウジョウトンボの赤、昆虫の色は鮮やかな色彩に満ちています。金属光沢も煌(きら)びやかだし、光によって変化する様も見事です。最近感心した「色」についてまとめてみました。

Nikon D200 + SIGMA 150mm 1:2.8 APO MACRO DG + TAMRON SP 60mm F/2 MACRO & RICOH GRDⅢ


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金属光沢とは違った「プラスティック光沢」をした昆虫も多いです。
ツマグロオオヨコバイも横にゼンマイのネジが付いていても
おかしくない雰囲気をしていました。

繁殖のための出会いや擬態のためか、昆虫はカラフルです。


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この個体より、さらに鮮やかな色をしたツバメシジミはいるでしょう。
しかし控えめな青が好ましく目に入りました。


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この蜘蛛の白さにはビックリです。脱皮痕が何処かにあるだろうと見付けてしまいました。
アズチグモというカニグモの仲間で、前2脚でアリやチョウなどを襲うそうです。
あまりの白さに「新発見か!」と博物館に問い合わせがあるともいいます。

なにやら糸をたぐり寄せて仕事中のようでした。


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シロモンノメイガです。黒と白の使い方がお洒落です。緑の中にいれば目立ちますが、
ひょっとして木漏れ日や穴あきの葉に止まると目立たないのかも知れません。


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ベッコウシリアゲの渋いベッコウ色・・・

カワトンボの種わけが最近変わったように、ベッコウシリアゲの分類も諸説混沌です。
ヤマトシリアゲの季節変種という考えもあるようです。

出世虫というわけでもないし・・・しかしこの「ベッコウ」色は残したい名前です。


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コフキゾウムシはメリハリある色からは遠いい装いです。
しかしストロボ照射に失敗した画像には・・・


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これは甲虫表面の粉を作っている物質との光学現象により出た色です。


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コガタアワフキでしょうか・・・

もっぱら昆虫はこんな色をしています。じっと森の樹に貼り付いていれば目立ちません。


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ブタクサハムシは要観察外来種のようです。

食草の上では少々目立ちます。


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8月14日のカマドウマの終悼・・・


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8月15日のヤブキリの終悼・・・


私が黄色や白に感心して歩いているときも、この丘陵での生存のシステムは起動中です。
昆虫の口や色のつくりに多分無駄がないように、落とされる命にも無駄はないのでしょう。

昨日はカマドウマの黒と白、今日はヤブキリの緑と茶色が、少しだけ
この丘陵から減っていきました。


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