当麻喜明

銀河系外銀河-冷却CCDカメラによる撮影

2010年2月 6日 | 当麻喜明 | Comment[4]

真夜中に昇り始めた月が、朝高く残っています。ちょっと前までマイナス2℃の観測室にいました。光害の光を避けて蓄積する冷却CCDカメラで系外銀河を撮してみました。このブログのカテゴリーに「銀河系の外」というのがなかったんですね。所沢で銀河の撮影なんて一昔前は難しいことでした。

NIKON ED300mm F2.8 & BORG 101ED F6.3 + BJ41L


mn1.jpg

撮影はニコンのカメラレンズです。オートフォーカスではありませんが、天体撮影の対象は近いものでも35万Kmは離れていますから、無限遠がしっかり決まれば問題はありません。

M42%20117.JPG

これは銀河系の中で照らされている星間物質です。M42といわれ距離1600光年です。比較的簡単に写せるので、あらゆる光学系で撮された作例が沢山あります。「星のゆりかご」とも呼ばれ、生まれたばかりのトラペジウムという四つ星を見たいためになんど望遠鏡の筒先を向けたでしょうか・・・

M51%20117.jpg

北斗七星とりょうけん座の間にあるM51です。通称「子持ち銀河」などとも言われます。距離3700万光年、銀河系から遙か彼方の別の銀河です。天頂高く昇ってくるので所沢でも暗い空を背景に観測できます。

M101%20123.jpg

これも北斗域の銀河、M101で、距離2700万光年遠くで輝いています。銀河のらせん形をしっかり確認できます。

M109%20124.jpg

こちらも銀河の腕の確認は容易なのですが、この画像からは多くを語れません。M109、距離4100万光年です。

mb1.jpg

使い始めたばかりの光学系です。BORG101ED + 1.04倍のフィールドフラットナーが付いています。

M104%20206.jpg

M104「ソンブレロ銀河」です。今回のコラム中最遠の銀河で4600万光年先です。

冷却CCDカメラの温度は-10℃、観測室も冷え冷え-2℃。
今日は明け方に少し雲が流れたので、部屋に戻り画像処理の時間に充てました。

Comments [4]

No.1

昨日、7時のトップニュースで銀河鉄道999の映像と共に、アンドロメダ銀河の撮影成功!と出ていました。やっぱり本物の画像はアニメの絵から想像するものとは一味違いますね!

No.2

冷却CCDカメラで見る、街からの深い宇宙は格別です。
これがレンズから直接私の眼に飛び込んできた光なら
もっといいんですけれどね。

パソコンの中で、ナトリウムランプや水銀灯の「光害」を
引き算してくれるので、深宇宙が浮かび上がってくるんです。
雲の多い夜が続いているので、ISSやイリジウム衛星が
見られません・・・スカッとした夏の天の川が見たいです。

No.3


お久しぶりです。コメントはいつ以来でしょうか、、
ここに来ると、私はいつまでも卒業生に変わりはないんだな、と
感じさせてくれますね。やはり大好きな場所です。

今夜はペルセウス座流星群のピークですね。ちょうど従兄弟が
遊びに来ていて、みんなで明け方に一緒に観る約束をしました。
まだ子供なので、今はスヤスヤと眠っています。
妹や従兄弟も星に興味を持ってくれたようです。この前はリニューアルした
多摩六都科学館のプラネタリウムを観にいった後、妹にプレゼントした
星の図鑑を広げてきちんと復習をしていました。微笑ましいことです。

そんな今回の観察ですが、心配なのはお天気、、
こんなに暑いのに、最近の夜はどうも気持ちよく晴れてくれないですね。
どうか星空が観えますように。。北十字に祈ってみるとします。

まだ終わったわけではありませんが、今年の夏の夜空は
晴れませんね。毎年この時期には「すっきりした」星空が
楽しめていたのに。お盆の休みが終わると、またいつもの
「眠い空」に戻ってしまいます。六都科学館、いいなあ。

湿った空気が、北からも東からも南からも吹き込むせいらしい
ですが、星空がダメならせめて「虹」くらい見えないかなあ・・・
と、穏やかな夕立に期待しています。

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