当麻喜明

ピンホールレンズの製作-号外(4)

2009年8月11日 | 当麻喜明 | Comment0

無事大瀧さんにピンホールレンズが渡せました。K7に付けて(PA 40mm Li)両者を撮り比べ、シャープ感のあるF160(0.3ホール)を選んでくれました。私もF160の方が好みだったので、早速張り替えました。うちわの用語でFが理論値に近いものを Li と称することにしましょう。DA70に似せた90mmの方は、まだ一本だけの完成だったので、こちらも0.3mm・・・(F300になるのでもう少し大きくても良いかもしれません)を作ります。


pm2.jpg

pm3.jpg

ところで理論F値は、光りの波長に対して決まってくるようで、肉厚がゼロで切れるとしても、色により最適描写F値が変わってくるそうです。また可視光以外の通過があるので、カメラ側のブロックによって画像への現れが変わってくることも想像できます。前にも書きましたが現れる「色」再現についていくつか謎が生じています。もう一方で投影距離と最適F値も変動するようで、奥が深いレンズ(ホール)です。

使うための自作レンズなのでうんちくは置いておいて、ハッとするような作品を写したいですが、今回は数字だけ並べます。

今日ホールの検証をするために、ピンホールをたくさん作り、良い物を選んでみました。そしてホールの直径を測定しました。最近は0.3-0.4mmくらいはコンスタントに開けられます。アルミ缶素材を1mmのマイクロドリルですり鉢状に削ります。これでたわみが減ってバリも減ります。多分肉厚1.5mmの半分くらい削ったところで、今までの細いまち針で弱い力で忍耐強く、くりくりと削ります。貫通まえに両面を耐水ペーパーで削って、光りに当てて、僅かな穴が開いたら大成功・・・少し前です。

顕微鏡で見て、次の削り方を思案して仕上げるのです。穴の測定を工夫しました。画像処理ソフトのレイヤー機能を使ってパソコン上で調べます。今までのデジカメ液晶画面測定より精度は格段に向上します。1/10mm精度でわかります。高いニコンのエッチング・マイクロスケールの1/100mmには及びませんが、測定の再現性は高くなりました。結果の検討を重ね製作技術は向上します。良い物が出来たらここで大成功です。

1mmはマイクロドリルそのもので。0.5mmと0.3mmは上記の方法で作りました。さて・・・0.3mmを目指したピンホールが、何と0.2mm台に収まっていました。手間暇惜しまぬ「家内制手工業」の結果です。大瀧さんの作例記が楽しみです。

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