大瀧雅寛

ジャンクレンズの前玉外し

2010年6月21日 | 大瀧雅寛 | Comment[1]

レンズの先端部分を切断します / 2010年6月21日

狭山丘陵で自然観察をしていると、植物や昆虫など拡大撮影をしたくなりますが、35mmのマクロレンズではもの足りない場面もあります。

実は、一眼カメラの交換レンズの前玉(先端のレンズ)を取り外すと、拡大レンズになります。手持ちのジャンクのレンズを試してみることにしました。フィルム時代の廉価版のズームレンズ、PENTAXの28-80mmです。


ジャンクレンズの前玉外し

とはいえ、レンズを外す道具がないので、手荒にトンカチで、ややためらいながらレンズを割りました。外したのは1枚ではなく、2群3枚です。フィルターを取り付けた外観は変わりません。このフィルター面より1センチほどのところでピントがきます。ピントの調整は今回外した前群レンズの移動によるため、ピントの調整ができなくなりました。カメラの前後させてピントの合う場所を探します。

ジャンクレンズの前玉外し

庭に出て撮影しました。1センチより大きい位のあじさいの花のです。レンズの光学設計がくずれるのでしょう、ふんわりと光がにじみますが、悪くない雰囲気です。レンズが影をつくってしまうので、アンダーになってしまいます。

ジャンクレンズの前玉外し

あじさいの葉の上のなぞの生物、1ミリに満たない大きさです。肉眼では判別がつかなくても、撮影後に確認するといった使い方ができるようになりました。しかし、問題が発生しました。フィルター面と被写体が1センチほどなので昆虫の撮影では支障がでそうです。

ジャンクレンズの前玉外し

そこで思いきって、さらに改造を加えることにしました。前群のレンズを取り外したことで不要になった、レンズの先端部分を切断することにしました。アルミなどの軽金属を切断する機械にレンズをセットします。

ジャンクレンズの前玉外し

切断してみるとプラスチックに中にアルミの芯が入っていました。切断してから気づいたのですが、レンズに削りかすがつかないように、ふたをしておいた方がよかったようです。

ジャンクレンズの前玉外し

k-7に取り付けるとこんな感じになりました。緑色のビニールテープが巻いてあるのは、壊れていたズームの切り替えスイッチを隠すためです。アルミがシルバーに見えるところは黒く塗装をするつもりです。

フィールドテストをしてみます。下記の画像はすべてノートリミングです。

ジャンクレンズの前玉外し

1センチほどの花を、28mm側で撮影しました。ピントは固定になってしまうのですが、絞りのコントロールがカメラからできるので助かります。F14まで絞り込みましたがピントが合うのはこの程度です。

ジャンクレンズの前玉外し

撮影をする花を探しているときには、気付かなかった蜜を吸っている虫が見えます。ふたつの目が不思議そうにこちらを向いていますが、ふたつの目を分離する能力におどろきました。

ジャンクレンズの前玉外し

こちらも偶然に写り込んだ、おしべの上の1ミリに満たない小さな虫です。こんな虫たちにも、ちゃんと名前があるのでしょう。

ジャンクレンズの前玉外し ジャンクレンズの前玉外し

カメムシにもレンズを向けました。連結しているカメムシを撮影したので、2匹写っています。お腹の面にも黒い模様がありました。このような拡大撮影は風の影響を強く受けるので、風が吹いているときは撮影できません。カメラバッグにいつも入れておけば、丘陵散策が一段と楽しくなりそうです。

Comment [1]

No.1

なぞの生物は「カイガラムシ」の仲間のようです。

私はレンズ分解用の工具を持っていますが、金属加工用の電動工具は持っていません。
今度、Nikon の28-80を改造予定です。
撮影の時ワーキングディスタンスが足りなかったら私のも切断してください。
「ワタシカラノキョリ製作所」の手製マクロレンズの誕生ですね!!

しかし・・・Pentax W90 の顕微鏡モードも楽しそうですね。

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