当麻喜明

小さな化石年表

2016年9月 6日 | 当麻喜明 | Comment0

001.jpg 2016.8.28 aoi tamatebako

双眼実体顕微鏡があると、小さな化石を詳細に観察出来ます。手のひらに乗る、ほぼDVDライブラリーサイズの化石箱に先カンブリア紀・古生代から新生代まで15種の化石がセットされています。

Sony NEX-5ND


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東京サイエンスの「化石標本15種」は、小さなセンスの良い箱に
先カンブリア時代から新生代までの化石が収められています。

眺めていると、とてもロマンを感じます。


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新生代のサメの歯と琥珀。


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かへい石(ヌンムリテス)は新生代第三期の短い期間のみの生き物で
内部は不定形の個室で仕切られ、それらを繋ぐ管構造があるそう
です。資料はちょうど1円玉くらいの大きさです。


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中生代なら代表はアンモナイト。


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不明恐竜の骨。標本の解説には、アメリカ西部ジュラ紀のもので
集団生活をしていた草食恐竜のものだろうと記されていました。


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表面の突起から、ある種の恐竜の卵殻化石だとわかります。


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珪化木。宮沢賢治記念館のベランダには記念館建設中発掘された
巨大な珪化木が展示されています。


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古生代の化石から一部紹介、四射サンゴ。


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腕足(わんそく)類化石。二枚貝とは、全く違う生物種です。


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ストロマトライトと縞状(しまじょう)鉄鉱層。
私たちの地球で生物化石といえば、このあたりが最古のものと考え
られます。ストロマトライトが古生代の海で光合成を行い、余剰で
出た酸素が、還元性の海で溶けていた鉄イオンを酸化沈降させて
鉱床(生物起源の)になりました。


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フズリナ。石灰岩の中に容易に見つかることもある、古生代の
代表的な生き物。一億年も進化をしたのに古生代末に完全絶滅
に至りました。どんなドラマがあったのだろう・・・

化石と言えば貴重な、めったにないものと思っていた私は、多分
中学時代の理科室の標本箱に、ぎっしりフズリナの付いた石灰岩を
見て、唖然とした記憶があります。


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古生代の有名化石、三葉虫。私の資料からは、カブトガニのような
姿が想像できませんでした。

この化石をどんな風に見立てたらよいのか、知識がなかったので
思い切って東京サイエンスに問い合わせてみました。


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早々に会社よりお返事を頂き、私の画像に説明を加え解説していた
だきました。防御態勢を取り丸くなった(ダンゴ虫のような状態)
になって化石になったものとのことでした。丁寧な解説を返信して
くれた東京サイエンス(U氏)に感謝いたします。

教科書的ではない姿ですが、この個体は数億年前は確かに生存し、
ある事情により警戒し化石となり、今私の手の中にあるのです。


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これはU氏の図に、簡単な図形を加えてみたものです。
小さな化石のセットですが、たまに双眼実体顕微鏡のステージに
乗せて楽しんでいます。箱詰めされた地球の歴史です。

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