当麻喜明

月齢24.6の地球照

2010年1月10日 | 当麻喜明 | Comment0

10日は明け方の撮影チャンスを待った月でした。日の出少し前でないと充分な高度が不足です。私にとっては「寝起きの月」、古くからは「有明の月」、朝が明けても残っている月「朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに吉野の里に ふれる白雪」実際には朝7時頃南中している月を指すのでしょう。

Meade SN8 (20cm F4 FL800mm シュミットニュートン) + LUMIX G1 &
AD-VIX 103SS + AV-1 + PENTAX K7


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眼で見てわかる地球照と撮影の地球照があります。このくらいの月齢だとまだ眩しく瞳が閉じるので、地球照まではわからないです。撮影はマニュアルで長い露出がかけられるので、タイトル画像のように仕上がります。


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「虹の入江」の夕景です。入江の西の部分から恐ろしい深い闇に真っ逆さまです。再び陽を浴びるのは約2週間後ですが、それまでは地球に一回反射した太陽光が淡く照らしてくれます。

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いままで明るく白く飛んでしまっていた「アリスタルコス」の内部が黒い影で現れました。アリスタルコスは月では新しく、5億年ほど前の隕石落下で出来たものとされています。

m246ssn8.jpg

「湿りの海」の上部に「ガッサンディ」下部に「ドッペルマイヤー」が目立ちます。

撮影に使用したのはミードのSN8です。ビクセン R200SS とは隠れたライバル同士かも知れません。ニュートン式より光軸調整は難しく感じます。星野を撮すとまだ片側での星の僅かな流れが残っています。光学系にとって「星」は勝負しがいのある対象です。黒地に白いシャープな点像を端から端までの画面に求めたら調整には覚悟が必要です。

以下の画像はアクロマート短焦点のとても個性的な鏡筒、ビクセン開発工業の AD-VIX103SS で撮しています。F3.6の明るさは頼もしいです。画面の端でも大きな点像の崩れはありませんが、一様に発生する青ハロや滲みを個性ととらえて使用中です。このブログの画像サイズで星景写真をアップするのには少し大きな星像(滲み写真)の方がわかりやすく、今後も時々使用予定です。  

aamitu1.jpg

前日に撮したオリオン座の三つ星です。撮影機材は上記の AD-VIX103SS です。

aamm42.jpg

同じく「所沢」で撮したM42(オリオン大星雲)です。バックの空の光害かぶりを目立たなくさせるのに苦労しました。大瀧さんの堂平で撮したものと比較してみてください。

屈折(アクロマート)での光の滲み(青色)と反射系の斜鏡固定のスパイダーによる回析(十字)像、シュミットニュートンはそれが現れないように斜鏡は副鏡に固定されています。

様々な光学系で自然界の撮影に日々チャレンジ、光学趣味なんですね。

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