Hα領域の撮影を試みました。宇宙空間に多い電離した水素が発光する 656nm の波長の光を光害光と分離すれば、市街地でも深遠の宇宙の姿を捉えることが出来ます。
Hαは赤外光で目に見えないため通常のカメラでは、これをカットしてコントラストを上げています。天体用にはこの光を捉えられると面白いのです。
オリオン座三つ星左(東)の近くにある有名な「馬頭星雲」と「燃える木」と言われる散光星雲です。Hα光を選択して通すフィルターとLPL-P1という光害カットフィルターを利用したモノクロ撮影です。以前紹介した画像よりコントラスト良く写りました。眼視できなくてもBJ-41LのCCD撮像素子に「記録」することは可能です。撮影中はパソコンのモニター越しに確認するのですが、目だけターミネーターのように機械による性能向上が図られたようで不思議な観測感覚です。
馬頭星雲はこの画像では倒立して見えています。暗黒星雲とも言われる物質が明るい散光星雲部分を手前で隠している姿です。銀河系内の天体ですが、宇宙にもある遠近関係をしっかり確認できるところです。
オリオンの左肩上(北東)にある散光星雲で「クリスマスツリー」「コーン星雲」「ハッブルの発光星雲」などが写っています。逆さに見ると X'Mas ツリーのように見えませんか?
中央を拡大すると「ハッブルの発光星雲」が右下の方に見やすくなります。「コーン星雲」は鉛筆の先のように切り込んだ姿の部分です。
オリオン座の左肩の星「ベテルギウス」とこいぬ座の「プロキオン」の間にある「バラ星雲」です。さらに露出をかけた画像なら、バラの形も明るく浮かんできます。しかし露出がかけられないのです。
「冬の名残り」とタイトルに書いたのは、わが観測所は西から北にかけての視界が悪く、そろそろ撮影が困難になるからです。まもなく見事な花をつける山桜の巨木が視界を邪魔するのです。(しかし私はこの木を大好きです。)
撮影は手前の TAMRON SP 180mm F2.5 でおこなったのですが、このクラスのレンズで三脚取り付け部のあるものはほとんど存在しません。このレンズの現行機種だと付いているのですが、F値は 3.5 になってしまいます。SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM は魅力あるレンズですが、PENTAX用はでていません。
架台へはアルミ材のフードをビクセンの鏡筒バンド(80mm)で包み固定しましたが、ガタがあり星が流れることがわかりました。
フードの後ろでピントリングの間に固定できるところがあったので、同じバンドの内側にゴム板とフェルトで2カ所目を固定できるように工夫しました。近所で観測を続けられている冨田五郎さんなどからもアイデアを拝借しました。
Hα画像がモノクロだったので、まだ色彩感は乏しいですがBORG 101ED F4 で撮したカラー画像です。LRGB撮影でモノクロから色を起こしたものです。獅子座のM65、M66、NGC3628です。
獅子座や乙女座の銀河団はこれからが観測日よりです。
架台にしっかり固定出来るようになった SP 180mm F2.5 の次の報告に期待してください。
Comments [2]
No.1しぃずんさん
一枚目の写真サーモカメラ的なやつで胎児を見たときのものに見えましたw
クリスマスツリー分かりますww
3枚目は鳥が地に落ちていくようにみえます
きっと人によってものすごいものに見える人もいるのでしょうね^^
tomaさんから しぃずんさんへの返信
宇宙は壮大ですね。これらの画像は光の速さでも1,000年も、5,000年もかかる遠くから届いています。バラ星雲のそばに友だちがいて、光の速さで届く手紙を書いて、すぐに返事を書いてもらったとしたら・・・10,000万年かかります。それを考えると私たちは随分急いで暮らしていますね。そんなことを考えると、1年に一回しか会えなくても「親友」はつくれそうです。
もうすぐ七夕ですね!
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