11月29日(日本時間)早朝に、太陽に最接近したアイソン彗星は崩壊したと伝えられました。太陽の重力作用と熱が直径数キロメートルの彗星に及ぼした力で、蒸発したとも表現されています。大変残念ですが、ドラマチックな彗星の一生を知ることが出来ました。
Pentax K-5 & K7 + BITRAN BJ41L + Ricoh GRD Ⅳ
ラブジョイ彗星は健在です。この何処かに写っているはずです。日周運動を
撮したものは、タイトル像のように後半の明るい雲に消されてしまいました。
11月24日、ラブジョイ彗星はりょうけん座にあるM94という系外銀河の
側を通過していきました。この銀河は、私たちの銀河系より少し大きい
星の集団で、私たちから1,400万光年以上離れています。
26日の彗星。冷却CCDの画像は TAMRON SP 180mm F2.5 撮しました。
以後の画像より広角です。
27日は雲が出て、撮影は出来ませんでした。
変わりに28日の朝、出現した大気光学現象「幻日」です。
太陽の左右に微かな幻日がみられます。
29日早朝は雲の発生はありましたが、彗星を捉えることが出来ました。
ラブジョイ彗星はあまり太陽に接近しませんでしたが、一方の今後の
主役になるはずだったアイソン彗星は、この撮影時間に太陽大気の中で
崩壊しました。崩壊後の姿は暗いながらも観察できると思いますが・・・
発生した雲の後に、
月が隠れています。変化するものは生きている。雲は生きている。
アイソン彗星も変貌し続けているのだから生きている。
30日のラブジョイ彗星。下の画像は NIKON AF 300mm F2.8 ED で撮影。
彗星のある南東の日周運動。
スピカの側の月。この月は12月2日、彗星食を起こしますが、進入が
高度2°で起こるので、カノープスを見るより難しいです。
地球照(ちきゅうしょう)の月と鎌の月。時間の話をすると、月の光った
部分は約1秒前の姿で、影の部分はさらに1秒前の姿です。欠けた影の部分
が見えるのは、地球から届いた光(ほぼ満月のような、月の4倍の大きさの
地球の光)が影を照らして、それがまた戻ってきたから見えるのです。
12月1日の彗星の姿。
この日、5時12分には高度45°からISSが降りてきました。
距離600kmと遠いながら、拡大撮影の練習をしました。
ピントを合わせる月を利用し露出も月と同じに合わせました。
少し露出オーバーになりましたが、それは低い赤い月が、高度45°に
あったらという補正を加えなかったからです。
データ:Pentax K-5 + MC RUBINAR 500/5.6 iso1600 1/250
さて、私の早朝観察はアイソン彗星が観察可能だった来年の1月まで続く
はずでした。私の睡眠時間を今後左右するのは、ひとり残された
ラブジョイ彗星しだいと言えそうです。
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