当麻喜明

湿原のドラゴン-ホソバトビケラ

2011年5月 7日 | 当麻喜明 | Comment0

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手袋の上の竜の顔。芦原の横で、ついてくる不思議な昆虫。ホソバトビケラの成虫だ。調べていくと去年の7月に見付けた不明種に行き着きました。狭山丘陵に謎を持つ贅沢さ、謎が解ける喜びを感じました。

Lumix G2 & Sony DSC H10 & Nikon D300


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触覚まで入れると20-25mm。
半分が触覚で残りの半分が翅になり、さらに半分が頭部から腹部。
身体は1/4だから、5mm程だ。


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アシの上で脚を丸めるようにして抱き込んでいる。


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揺れるアシで暮らすのはたいへんだろう。
太めの触覚が身体の支持にも使われているようだ。


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実はこのホソバトビケラの幼虫を同じ場所で昨年7月10日に撮影していました。
水中の盛り上がった地面がパタパタと動いていたのです。


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鉱物で身体を隠すミノを造っていました。ミノムシのような隠れ家。
水中の、実の虫のようです。


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逆さにすると幼虫の頭が見えました。
幼虫の暮らす穴は反対側に貫通しています。


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なんと豪華な屋敷でしょう。関東ローム層の砂をミノにしているので、あるわあるわ
水晶、石英、カンラン石、輝石、カクセン石・・・

そこで疑問が・・・この殻をどの様な作業行程で造るのだろう。
ロームを洗い出しした、まだ土の残る環境の中で観察してみたい。
大瀧さんは水中ハウスを設計したことがあるだろうか。


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さて、新たな不明種。シャツの袖のボタンより小さい・・・


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こちらは精悍な顔立ちのサキグロムシヒキ(だと思う)。
ホソバトビケラの変わった生態を知らないだろうなあ・・・


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タイトルの「湿原のドラゴン」といえば、トンボもドラゴンと言うのだった。


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ホソバトビケラの成虫を見た同じ日、クロスジギンヤンマの
ヤゴ殻も見付けました。

まもなくここも初夏の景色になるだろう。

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