当麻喜明

12月の童話-森の牧師さん

2011年12月 1日 | 当麻喜明 | Comment[1]

501.JPG 2011.11.18 shiroi shisya

12月スタートのコラムは何か特別なものにしたかった。今日から空気も替わり、イメージ通りの雰囲気になるから不思議です。11月の未報告の観察記録もたくさんあるのですが、ここ数日の画像でまとめてみました。森の牧師さん・・・誰のことでしょうね。

Lumix G2 + LEICA DG MACRO-ELMARIT 1:2.8/45 ASPH. + G VARIO 1:4.5-5.6/45-200


503.JPG

11月29日、18h40m。
月齢4.1 安定したバランスの美しい月でした。


502.JPG

ニトベエダシャク。
これで茶が黒ければ「陰陽」模様にも見えるシンプルな蛾です。
今年の初認は11月18日でした。


504.JPG

この撮影の後、葉の上には何もなくなっていました。
これは飛び立つ寸前のポーズなのです。
翅の先が尖った外横線の複雑な蛾でした。

505.JPG

クサギの横の、良いポジションだったのですが・・・


506ミツモンキンウワバ.JPG

507イチジクキンウワバ.JPG

ミツモンキンウワバとイラクサキンウワバともによく似た蛾です。
並べて置けば、次の観察に役立つかもしれません。

実は更正前にはイラクサ・・・を、イチジクキンウワバとしていました。
以前からお世話になっているATSさんからイラクサ・・・など似た蛾の
同定について教えていただき訂正しました。


508.JPG

低い位置に居ましたので、見下ろした風景も追加しましょう。


509.JPG

茶色いクロトビイロサシガメ
特別太い前脚で、いったいいくつの命を奪ってきたのだろう。


510.JPG

茶色いモリチャバネゴキブリ。
とても謙虚なゴキブリで、まず台所で出会うことなど一度もない。
「寒いだろう、暖かい家にお入り」。と誘っても、
「私はここでいいのです」。と強情な信念の持ち主らしい。
茶色い礼服の、森の神父。


511.JPG

さて、昨夜見たのもクロトビイロサシガメ。ずいぶん黒い個体でした。
これだと刺客の雰囲気を漂わせずに、野の牧師の出で立ちです。
黒衣装をシックに着こなすだけで、イメージは真摯に替わります。
太い前脚は、分厚く重い聖書をひろげるためなのでしょう。


512カシワキボシキリガ.JPG

カシワキボシキリガはクリスマス前夜の装いに見えます。
「星輝く夜、聖なる夜よ」と、歌いながらキャンドルを運ぶ
聖者の様なレディー・蛾蛾でした。


513カブラヤガ.JPG

こちらも、ちょっと気取った刺繍の入った薄い金のガウンをまとった
聖者です。カブラヤガ。


513b.JPG

12月1日、最新画像。
最近、「銀色」の目立つ蛾を見つけます。
風化した花こう岩の出っ張りかと思ったものは・・・

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15mm ほどの小さなレディーでした。
石英と黒雲母から生まれたような、聖者の子供のような愛らしさ。

513d.JPG

鉱物から湧いたのか、あるいはアルミニウムかマグネシウムの化身なのか
銀の光沢の小粒な命。


514クサギカメムシ.JPG

ガウンを羽織る前の身繕い。今やって来たクサギカメムシ。


515.JPG

マエアカスカシノメイガのとまる、クラシックな街灯も、
ここでは12月の雰囲気です。

見上げた空に、雪の降りる光跡が光る季節に入りました。
ひょっとして今日、雨は粉雪に変わるかも知れません。

Comment [1]

No.1

「聖者の子供」はマエシロモンキノカワガという名前があるのじゃよ。調べてみるとわかるのじゃが、幼虫はカラスウリの花を食べるとか食べないとか、越冬するとかしないとか諸説のある面白い友人じゃ。
お馴染みのATSさんは昨年越冬個体を見付けておる。ご近所に研究素材が沢山あるのが「身近な自然」なんじゃよ。

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