当麻喜明

ピンホールな満月(月齢16.1)

2009年9月 6日 | 当麻喜明 | Comment0

夕方買い物に車を走らせたら、道路の先にちょうど太陽が落ちて行くところでした。大きなケヤキに隠された太陽がきれいだったので車を止めて撮影しました。新しく開発された住宅地の道路は比較的に東西や南北に設置されます。(変な角度に走る道路は旧街道「鎌倉街道」だったりします。)

夕日の色彩は多様です。上にはまだ白く光る雲が残っています。白いということは、あの雲にのって下を見るとまだ高度のある太陽が、黄色から白で輝いて見えるということです。撮影地では沈んだ直ぐの太陽はもっと低い雲を橙色から赤く照らしています。

PENTAX K7 + SIGMA18-200


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愛用の自作レンズ「ピンホール・テレ」で撮した満月です。撮影対象として待ちに待った瞬間です。月の一周期を30日とすると年間にほぼ12回の満月が訪れます。すべて晴れとは限りませんから、待って待っていたのです。1mmを少し越えるくらいの光の点描画のような集まりで投影された満月です。

瞳(3-5mm)の方が大きいので集光力・分解能はヒトの目の方が優れています。しかし感覚器の情報は脳にリアルタイム中継されますから、見ているという行為は残像現象が起きないぎりぎり30分の1秒くらいのシャッタースピードです。上の画像はK7が頑張って4秒の光を集め、それを更に21枚合成し作った物です。そうすることで集光力は補えます。だから色彩感はなかなか出ていると思います。

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TAMRONのレフレックス(SP500)で撮すと上のような画像です。レンズ径は80mmにはなりますから、一気に肉眼性能を越えていきます。集光力はたっぷりですから200分の1秒で撮しました。月の露出は難しいですが、昼間の地上風景と同じくらいと考えれば上手くいきます。分解能はもうこのくらいから模様というより「構造」がわかってきます。

細かく見るという点では日本の月探査衛星「かぐや」(すでに月面コントロール落下)にはひっくり返ってもかないません。しかしピンホールレンズによる撮影にはスローなダウンな面白さがあります。この魅力を知ると、いつでもカメラバッグに同行させる機会の一番多いレンズになります。

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