当麻喜明

放課後の理科室ーチンダル現象

2014年12月 4日 | 当麻喜明 | Comment0

001.JPG 2014.12.4 X ji no kousen

光は直進し、入射角と反射角は等しくなります。太陽からくる光が空間を通るとき、その道筋は見えませんが、懐中電灯の光がスリットを抜けると線になって見えます。

FUJIFILM X-E1


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アクリルという物質から、空気中に光が通過するときのことを考えます。屈折角が入射角より先に90度になると、以後の光はアクリルと空気の境(境界面)から出られず、全反射してしまいます。


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線香やお香の煙で燻(いぶ)した空間なら、レーザーの
強い光が直進するのを見られます。この観察を終えた後・・・


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劇的なことが起きました。


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部屋中に散乱していた、煙のダストが「チンダル現象」を
起こしたのです。19世紀にこの現象を研究した、イギリスの
物理学者ジョン・ティンダルが名前の由来です。


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このサイトのカテゴリー「空」を見ると、この現象が起こした、
空に見える、壮大な光芒などの「大気光学現象」がテーマの
コラムが多くあります。

雑木林を歩いたとき、落ち葉焚きなどに出くわすと見られる
木漏れ日の光線や、雨上がりの微細な水滴のたちこめた森の
中で見た光景の、実験室での再現です。


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さて、チンダル現象を起こした線香の煙が、上昇気流で
昇っていくと、いくつか渦を描くのが見えました。


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どうでしょう。これも「カルマン渦」と言うのでしょう。


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実験の後の、偶然の発見はまだ続きました。


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光と影、球体に近いヒトの顔も月のような「満ち欠け」を
するのです。

実験室の中で作った小さな現象が、大自然のスケール大きな
現象の理由(わけ)を見せてくれていたのです。

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