当麻喜明

古くて新しい機材ーLS-12D

2016年2月29日 | 当麻喜明 | Comment0

001.JPG 2016.2.27 shiawase-kuukan

1984年製の日本特殊光学LS-12Dの調整記録です。ハレー彗星時代に憧れていたライトシュミットです。銀塩の天体写真鏡筒をデジタルで復活させるべく入手しました。私の所では同社のNSC-22も現役です。

Nikon D700 & D5000 & Pentax MX-1


002.JPG

003.JPG

見た目でも大きく狂っていそうだった接眼部のスケアリングを、
星を見ずに調整しました。


004.jpg

鏡筒と接眼部が、設計上部品として直角になっていることを想定
して、ホースマンの水準器で調整しました。


005.JPG

006.jpg

光軸はカメラで覗き込み、接眼部開口部・斜鏡に映る主鏡・その
主鏡に映る斜鏡・その斜鏡に映った撮影用カメラのレンズ・
主鏡のセンターマークが同心円で重なるまで追い込んでから、
実際の星像で調整しました。


007.JPG

デジタルカメラの画像で、結果がすぐに確認できます。


008.JPG

銀塩時代のカメラと違い、大柄でペンタ部が突き出たデザイン
のカメラでは、フォーカスロックボルトがぶつかるので、小さな
サイズのものと交換。(カメラは鏡筒にくっつくようです。)


009siriusu.jpg

シリウス。2月17-27日、Nikon D700(フルサイズ)D5000(APS)
iso 800 4-6s くらいの条件で撮影し適宜トリミングなど行って
います。


010aruku.jpg

011vega.jpg

アルクトゥールスとベガ。星像をぼかして光軸を合わせました。
この鏡筒の特徴で、ある条件で輝星からゴーストが現れます。


012arubireo.jpg

013rasuaruhage.jpg

アルビレオ、ラスアルハゲ。


014M4.jpg

アンタレスとM4。4本スパイダーを持つ光学系の特徴ある光条。
反射系の写真鏡なので、信頼できる(?)星の色です。


015M13.jpg

016M13.jpg

M13(ヘラクレス球状星団)明け方まで観察していると、毎回撮影
したくなる対象です。


017M41.jpg

018M44.jpg

M41とM44(プレセペ星団)。


019M4647.jpg

020M57.jpg

M46とM47、M57(リング星雲)。さて、鏡筒調整中の画像を多く
のせましたが、実は画像の等倍レベルでは、スケアリングはまだ
正しくとれていないのがわかります。


021sukearing.jpg

いよいよ最後のスケアリング調整です。銀塩だと30μほどの星像、
実際には60μくらいでも点像に見えるそうです。デジタルの画像
では、10-20μくらいの星像が必要です。この望遠鏡の当時の
カタログデータまで性能をひきだす必要があります。
28日、明け方昇ってきた低い高度の金星を5コマ写し、比較明で
合成しました。


022sukearing.jpg

等倍で比較すると、このカメラ位置で上方向、特に左上で星像が
崩れています。金星ですから、星像は面積を持つ光点です。


023sukearing.jpg

左上の光点の修正なので、実際には接眼部の右下の調整ボルトを
修正しました。空は明るくなり作業はここで終了・・・


024.JPG

スケアリングは、光軸やピント出しの調整をしていたときより
遥かに良くなったはずです。また試写を行い、そして調整の
繰り返し・・・パズルを解くような日々もあと少しかな。

コメントする

公開されません

← ホーム  ↑ トップ