1984年製の日本特殊光学LS-12Dの調整記録です。ハレー彗星時代に憧れていたライトシュミットです。銀塩の天体写真鏡筒をデジタルで復活させるべく入手しました。私の所では同社のNSC-22も現役です。
Nikon D700 & D5000 & Pentax MX-1
見た目でも大きく狂っていそうだった接眼部のスケアリングを、
星を見ずに調整しました。
鏡筒と接眼部が、設計上部品として直角になっていることを想定
して、ホースマンの水準器で調整しました。
光軸はカメラで覗き込み、接眼部開口部・斜鏡に映る主鏡・その
主鏡に映る斜鏡・その斜鏡に映った撮影用カメラのレンズ・
主鏡のセンターマークが同心円で重なるまで追い込んでから、
実際の星像で調整しました。
デジタルカメラの画像で、結果がすぐに確認できます。
銀塩時代のカメラと違い、大柄でペンタ部が突き出たデザイン
のカメラでは、フォーカスロックボルトがぶつかるので、小さな
サイズのものと交換。(カメラは鏡筒にくっつくようです。)
シリウス。2月17-27日、Nikon D700(フルサイズ)D5000(APS)
iso 800 4-6s くらいの条件で撮影し適宜トリミングなど行って
います。
アルクトゥールスとベガ。星像をぼかして光軸を合わせました。
この鏡筒の特徴で、ある条件で輝星からゴーストが現れます。
アルビレオ、ラスアルハゲ。
アンタレスとM4。4本スパイダーを持つ光学系の特徴ある光条。
反射系の写真鏡なので、信頼できる(?)星の色です。
M13(ヘラクレス球状星団)明け方まで観察していると、毎回撮影
したくなる対象です。
M41とM44(プレセペ星団)。
M46とM47、M57(リング星雲)。さて、鏡筒調整中の画像を多く
のせましたが、実は画像の等倍レベルでは、スケアリングはまだ
正しくとれていないのがわかります。
いよいよ最後のスケアリング調整です。銀塩だと30μほどの星像、
実際には60μくらいでも点像に見えるそうです。デジタルの画像
では、10-20μくらいの星像が必要です。この望遠鏡の当時の
カタログデータまで性能をひきだす必要があります。
28日、明け方昇ってきた低い高度の金星を5コマ写し、比較明で
合成しました。
等倍で比較すると、このカメラ位置で上方向、特に左上で星像が
崩れています。金星ですから、星像は面積を持つ光点です。
左上の光点の修正なので、実際には接眼部の右下の調整ボルトを
修正しました。空は明るくなり作業はここで終了・・・
スケアリングは、光軸やピント出しの調整をしていたときより
遥かに良くなったはずです。また試写を行い、そして調整の
繰り返し・・・パズルを解くような日々もあと少しかな。
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