今まで、せっかくの内蔵ストロボを生かした撮影は、あまりありませんでした。ストロボは一眼にはレンズの光軸真上に、コンパクトデジカメには、多くは左か右にシフトして付いています。これらを使用して接写を行うと、黒い影がおちた、あるいは強すぎる光源が、コントラストを付けすぎて「カリッ」とした画像をつくります。そこでご覧のような単純なストロボ光の拡散装置を自作しました。
Pentax K10D + FA50mm MACRO & Nikon D200 + TAMRON SP 60mm F/2 MACRO
上) 拡散装置(ディフューザー)を使用したストロボ光の届き方
下) 拡散装置(ディフューザー)未使用でのストロボ光の届き方
モデル側は部屋を暗くしてセルフタイマーにて撮影。
その状態を5秒露出で他のカメラで撮影。
効果がはっきり見て取れます。
いろいろ工夫できるので、大きめの1mm厚の乳白色アクリル板を購入しました。
HAKUBAやケンコーなどで製品化されているものや、公開されている自作例を参考に
シンプルに設計しました。レンズ鏡筒に巻き込めて拡散領域を拡げるため
Pentaxに多い49mm分だけくり抜いてみました。
1mm厚ならハサミ加工が可能です。
左) 切り出したアクリル部材
右) 完成したディフューザー
右の完成品の表面は180番の紙ヤスリでザラザラに仕上げてあります。
これが拡散効果を増してくれます。乱反射による散乱効果です。
天体写真での冷却CCDの撮影の時は、撮影時間と同じだけ真っ暗にした画像を
まず撮します。暗電流ノイズの補正に使用します。
また感度の低いピクセルを補正するために、薄明時のフラットに明るい空に
向けて、同様のディフューザーを通して撮像します。
これらの補正をして良質の天体写真を完成させます。
そんなディフューザーも天文愛好家は自作します。
その要領で接写用ストロボディフューザーをつくりました。
2個つくったので他の方法で効果の確認です。
照明を透かして見ました。左はヤスリ掛けがしてありません。
乳白色といえども入射角0°だとけっこう透けてみえます。
右は180番ヤスリで縦横にキズを付けています。
完成したストロボディフューザーです。
上) ディフューザー未使用
下) ディフューザーを使用
影の出方に注目です。撮影は、Nikon D200 + TAMRON SP 60mm です。
鏡筒が55mmと太いので、自作ディフューザーを手に持ってレンズ先端近くで
下に傾けて、ラフに撮影しました。
上) ディフューザー未使用
下) ディフューザーを使用
上) ディフューザー未使用
下) ディフューザーを使用
はっきりと現れた効果に、ほくほくです。
実は、昼間薄暗い林の中で休むトンボの撮影と、前玉外しの自作マクロで接近撮影の時
重宝する機材なのです。
49mmのえぐった部分のアクリルの破片からはコンデジ用ディフューザーが作れます。
大は小を兼ねる・・・さて・・・
残りの大きなアクリル板をどこに置いておきましょう。
本箱の棚からは、はみ出してしまうことがわかりました。
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