電圧計のパネルにぴったりな、おかず容器
震災以降、関東地方では一日に3時間ほど、計画的に停電になることになりました。この停電は、関東地方を5グループに分け、5の時間帯を順番に変えていくものです。
いざ停電してみると、パソコンとネットが使えない事務所では、私はやることがなくなってしまいました。
あらためて考えてみると、いかに電気に頼った生活や仕事をしていたのかと思いました。3月の3連休の最後の月曜日、朝食を済ませると久し振りの電子工作を始めることにしました。
2011年3月16日夕方、第2グループの我が家は、6時20分からの停電です。ろうそくを灯しての夕食となりました。出窓には携帯電話と、ラジオが付いているトランシーバーを置いてあります。
自宅ならともかく、仕事では停電に対する工夫が必要となりました。車用の12Vのバッテリーを利用して、停電の3時間の間、ノートパソコンを使えるようにと考えました。
帰宅するときにホームセンターに立ち寄ると、乾電池や懐中電灯は全て売り切れでしたが、車用の12Vのバッテリーは購入することができました。
停電前に充電したバッテリーに、DC/ACコンバーターを接続して100Vを出力させ、ノートパソコンのACアダプターを差し込みます。
継続して使うには、バッテリーの電圧の管理が大切ですので、まずは電圧計を製作することからスタートです。
以前、秋月電子通商から、購入してあった、デジタル電圧計のキットです。
秋月電子通商は、私が秋葉原に出かけると必ず立ち寄る電気パーツ店です。
キット以外に必要なものは、電池スナップと端子、ケースです。ケースは100円ショップで見つけた、おかず容器です。
キットとはいえ、基板は完成されたものです。「DC」と「20V」の端子とハンダでショートさせ、直流20Vの電圧計として動作するようにしました。
デジタル表示なので、9Vの乾電池が必要になります。小学生の頃から始めた電子工作、興味がないひとにも、ぜひおすすめします。
一見関係のない私の建築の仕事にも、どこかで役に立っていると感じています。
ケースに収めます。電池で基板がショートしないように、スポンジも一緒にいれます。本当にぴったりなケースがあったものです。
完成しました。手持ちの6Vのシールドバッテリーにつないで、テストしてみましょう。このバッテリーは、単一電池4本分のラジオで使うことにします。
6.09Vと表示しました。OKです。この写真では、バッテリーを横に寝かせていますが、横にしても安全なことがシールドバッテリーの長所です。
これは、シールドバッテリー内部の電解液がゲル状になっているからだそうです。一般的な車用のバッテリーは、中の電解液がこぼれて危険なので、横にすることができません。
バッテリーの電解液は、強酸性で危険な液体です。昔、アマチュア無線をするために、トランシーバーとバッテリを背負い、秩父の高い山に登った友人がいました。
重たいバッテリーをリュックサックに入れ下山するときに、なぜか背中がスースーすると手で触れたところ、リュックサックや服に穴が開いていたことがあったそうです。
電圧計が出来上がると、バッテリーの12Vを100Vに変換する、DC/ACコンバーター周りの工作を始めました。
細く長いコードは抵抗分があるためにロスが発生します。太いコードに取り替え、ハンダ付けしました。
電子工作というより、太くしたコードに安全のためのヒューズと、着脱を容易にするためのコネクタを取り付けただけです。使用時はこんな感じに組みます。以前製作した、太陽光パネルからの充電にも対応させました。
DC/ACコンバーターには、コンセントがふたつあり、合計で135Wの容量があります。
購入直後の未使用のバッテリーは12.54Vを表示していました。
ノートパソコンと光ルーターを、3時間程度、持たせることが目標です。明日、事務所に持ち込み、実戦でのテストをします。
Comments [2]
No.1tomaさん
また、お弁当箱をリフォームしたのですね。私は市販品で格好良くまとめたつもりですが、お弁当箱ですから、「味」を感じさせますね!!
まだ太陽電池パネルはお持ちなんですか?無線電源用の趣味から始まったのに、ついに仕事用に行き着いたのですね。
ootakiさんから tomaさんへの返信
停電の前に、バッテリーの充電をするのですが、充電時には水素が発生します。ここ数日、寒い日が続いたので、ファンヒーターを使っているのですが、同じ室内では「水素爆発」の危険があるので、充電は屋外でした方がよいとのことでした。
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