大瀧雅寛

太陽にかかる虹 - 日暈、環水平アーク

2010年5月20日 | 大瀧雅寛 | Comment[2]

山形県西村山郡西川町 道の駅 にしかわ / 2010年5月16日

5月の連休の次の週末、両親と弟と私で山形県の父の故郷を訪ねました。父の山の畑での山菜採りとお墓参りが目的の1泊2日の旅行です。

帰路につく前に、おみやげを買いに道の駅によることになりました。西村山郡西川町の道の駅にしかわに到着すると、空を見上げているひとがたくさんいます。

薄い雲の中の太陽のまわりに大きな環がかかり、その下には水平の線もありました。両方とも7色に色がついているように見えます。


太陽にかかる虹 - 日暈、環水平アーク

初めて見る太陽の虹に、あわててカバンからカメラを取り出し、10mm(15mm相当)の広角レンズで撮影しました。時間は12時21分ごろです。

太陽のまわりに見える輪は「日暈」という大気光学現象です。その下に見える水平線は「環水平アーク」で、こちらも大気光学現象です。

ヴェールのような薄く白い巻層雲の中に浮かんでいる、正六角柱の氷の結晶片による光の屈折によるものです。

この日は風もない穏やかな日でした。当日の天気図です。等圧線の間隔が広いです。

2010年5月16日の天気 - 日本気象協会

日暈について参考になるページ

暈 - 天空博物館内暈 - 空の輝き暈 - Wikipedia

環水平アークについて参考になるページ

環水平アーク - 天空博物館環水平アーク - 空の輝き

環水平アーク - Wikipedia

太陽にかかる虹 - 日暈、環水平アーク

7色を見えやすくするために、露出時間を切り詰めました。環の内側が赤なら外側が紫でしょうが、白っぽく見えます。虹と似ていますが、虹は水滴による光の屈折によるもので、太陽と反対側に見えますね。

この画像は5000分の1秒で撮影しました。この画像の上の画像は800分の1秒で撮影したものです。このレンズの画角は 108°x 60°でしたので、環の全体を納めることができました。日暈は内暈と外暈があり、環の直径は44°のようなので内暈でしょう。

日暈は太陽だけでなく、月にもできます。月暈といい当麻さんが2010年1月に観測しています。月と火星と地球の接近-月暈・白虹現象

太陽にかかる虹 - 日暈、環水平アーク

環水平アークを拡大して撮影しました。水平というよりも、中心がゆるやかなに下がっているようです。日暈に比べると線の厚みがあり、色の違いがわかりやすかったです。
この画像の下に写るふたりが私の両親なのですが、父のあたりに見える光の反射は、大気光学現象ではないと思われます。

太陽にかかる虹 - 日暈、環水平アーク太陽にかかる虹 - 日暈、環水平アーク

太陽にかかる虹 - 日暈、環水平アーク

雲の条件だけではなく、山形のきれいな自然もあってのことでしょう。旅先での一期一会の出会いでした。西村山郡の神通峡です。ここではヤマセミもいるそうです。こちらにもゆっくりと来たいです。

2010年の山形の5月はいつもよりも、季節が2週間ほど遅れているとのことでした。山菜を取りながら、野草や昆虫を見つけました。あらためて報告したいと思っています。

Comments [2]

No.1

これはすごい写真ですね…。当てはまる言葉が見つかりません。昔の人はこういう空を見て、風神雷神図を描いたのでしょうか。輪の中から雷様が出てきそうです。

こんな美しい物語が私たちの頭の上で起こっていても、気づいていないことが案外多いのかもしれません。カメラをいつもカバンの中に入れているのは、そんな物語をいつでも記録したいからです。

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