当麻喜明

クモノスホコリとサラクモノスホコリ

2015年9月 9日 | 当麻喜明 | Comment0

kumonosu.jpg 2015.8.3 cyairoi hokori

すべてのものが、旬がいいとは限りません。元気な若者より、少し枯れたくらいのおじさんのほうが、美しいこともあります。クモノスホコリに教えられました。

Olympus OM-D E-M5 & Pentax K3 + EL-NIKKOR 50mm 1:2.8


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8月3日、少し離れた観察地で、クモノスホコリがぎっしりの
腐木を見つけました。


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できるだけ、胞子を放出した後の資料をサンプリング
しました。


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クモノスホコリは子嚢(しのう)の「肋」(ろく)と呼ばれる
スポーク構造がユニークです。これを観察するには、少し消耗
している個体のほうが都合がいいのです。子嚢の中央部が凹む
姿も確認できます。


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そうです!粘菌は、分解者が落ち葉を土に還すとき、少し
コントロール(調節)していると言われています。


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ウンモンキノコヨトウ。幼虫の食餌植物は地衣類です。
(8月28日撮影)


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アトモンヒロズコガ。9月3日に観察しました。粘菌より
ずっと大きな6-7mmクラスでした。


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9月5日、やっと秋雨の中休みに観察に出られました。


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シロウツボホコリ。ホームランアイスクリームのようです。
ヒットなら4本、ホームランなら1本のスティックで、
もうひとつ貰えるやつです。


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ここでは、以前にもクモノスホコリの仲間が出たので注目して
いたところです。


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初めに紹介したクモノスホコリの仲間で、サラクモノスホコリ
といいます。皿のような胚状体がわかりますか。


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念のために、こちらはクモノスホコリです。


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フィルム時代の写真は、最後に印画紙に焼き付けました。
引き伸ばし器のレンズは、優れたマクロレンズと同等です。
クリップ付きLED照明(100円ショップ購入)を利用した
ミニスタジオで撮影しました。


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サラクモノスホコリも、子嚢の中央部が凹むんですね。
この凹む力が、胞子を押し出しているのではないでしょうか?


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クモノスホコリとサラクモノスホコリ、同時期に観察でき
ました。こんな立派な構造物を、たった一つの細胞から
無数に作り出すなんて・・・生き物の世界は深いなあ。

(11日、関東の天候は回復しました。今回の豪雨で避災された
 方々に、心からの復興の祈りを捧げます。)


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