当麻喜明

農家からの贈り物-キイロスズメ

2011年9月 7日 | 当麻喜明 | Comment[6]

001.jpg 2011.9.6 todokerareta tegami

「かねた一郎さま 九月十九日 あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。とびどぐもたないでくなさい。山ねこ 拝」宮沢賢治の「どんぐりと山猫」の一節です。
同じ9月の昨日、事務の方から私に素敵な手紙が届いていました。

Pentax Q + 01 STANDARD PRIME only


002.JPG

広告の箱を開けてみたら、立派な幼虫が寝ているように入っていました。


003.JPG

004キイロスズメ.JPG

背中にも、ぎっしり手紙の続きが書いてあるようでした。
この撮影中にやって来た方は、私が「かりんとう」を撮していると
思ったようでした!


005.JPG

今日のコラムの画像撮影は Pentax Q のみでおこないました。
PENTAX技術者が力を入れて設計した標準レンズ 01 で、
マクロではありませんが近接撮影もなかなかです。

005a.JPG

Q による目的を持った幼虫撮影の、世界初の画像ではないでしょうか?
(発売一週間の新型ですから・・・)


006.JPG

幼虫はキイロスズメだと、まもなくわかりました。
食草はヤマノイモ、オニドコロなどのようです。

農家の方は経験上、あと2日くらいで蛹になるだろうと
おっしゃっていたそうです。

なんかそんな植物ならフェンス沿いにあった気がしました。
(台風の雨で除草作業が中止になっていましたので。)


007.JPG

008コマダラウスバカゲロウ.JPG

見付けに行ったら、面白いカゲロウに会いました。
翅に墨で書いたような模様が(不細工に)散らばっていました。
コマダラウスバカゲロウです。

幼虫は土に潜らず、背中に地衣類をくっつけた擬態で、石や樹表を
徘徊し餌を探します。海野さんの参考記事を最後にリンクしました。

私が好きな虫のキーワードは「擬態」と「不思議な生活史」だと再確認!
ヨフシハバチ、クサカゲロウ、セミヤドリガ・・・


009.JPG

葉を収穫して戻ったら、キイロスズメ(以後キロロと呼びましょう!)は
待ちくたびれたように、落ち着いて待ってくれていました。


010.JPG

新しくこしらえた飼育箱に移したら、急に元気になりました。

011.JPG

15:50 この葉を「食おう!!」と決めたようです。

012.JPG

16:05 キロロは凄まじい集中力で食事中。

013.JPG

014.JPG

015.JPG

16:10 ここまで20分で葉のほぼ半分がキロロのエネルギー源に!
その後、一枚をまるまる食べ尽くし2枚目に挑戦していきました。

016.JPG

「かりんとう」のようなキイロスズメ幼虫をキロロと名付けましたが、
キョロちゃんでも良かったかなと、今これを書きながら思いました。


参考 海野和男の「デジタル昆虫記」

Comments [6]

No.1

こんばんは。
キロロは丸々太って元気そうですね。
なによりのプレゼントでしたね。
森のキョロちゃんは職場でも虫好きで有名なのですか?

No.2

キョロは今日、8日も元気です。少し変化が起きたので、また報告しようと思っています。飼育観察すると発見も多いです。「飼育」について考えが少し変わりました。

農家の方も、畑の葉がやられていたかもしれないのに、つぶさず生きたまま持ってきてくれるなんて、優しい人だなと思いました。

てんとう虫さんのサイト内を検索したら、「キイロスズメ」の情報がなかったので私が調べて報告します!職場内ならファーブルで有名かもしれませんが、所沢のファーブルには、まだまだ及びません。

No.3

久しぶりです!約1ヶ月半書きこみをしてませんでした。先生には、会っていましたが … 先生は、僕の書き込みを待っていてくれて  良かったです。それでは書き込みスタート 先生!今日キョロを大切にしてましたね。僕は、あのキイロスズメの幼虫がクラスの人も言ってましたがナメクジに見えました。先生は、ほかの生き物に例えると何に見えますか?

ナメクジ・・・いや、そうは見えません。森永のキョロちゃんは鳥類ではなく、もしかしたら昆虫かもしれません。セスジスズメのクリーム色と茶色のツートンは、どことなくキョロちゃんに似ています。だからキョロちゃんの幼虫というところかな。コメントありがとう!

No.4

僕も授業中に当麻先生が言っていたことに共感です。
農家の方、ものすごく優しい方ですね!
仕事に害を与える虫をわざわざ届けてくれるなんて!!
農家の方のおかげで、キョロも当麻先生も農家の方も得をする。
一石三鳥!?

農家の方にお礼を言いたいですね!畑の敵に情けをかける・・・小川未明の童話「野ばら」を思い出します。キョロ(キイロスズメ)は畑の作物を利用し、その畑を大切にしている農家の方も、実は大地の一部を分けてもらって自然から「お借りしている」とも考えられます。

無農薬の畑の他の生き物も、農家の方も、私たちも、みんな幸せになるといいですね!

コメントする

公開されません

← ホーム  ↑ トップ