当麻喜明

湿潤な狭山丘陵ふたたび-樹液と豊作

2010年9月 8日 | 当麻喜明 | Comment0

2010.09.04 しっとり濡れ環境にキノコの群床

狭山丘陵に雨が降らない・・・もともと丘陵の特徴の一つは水が豊富で、林内はいつも湿気が保たれていることだ。狭山湖・多摩湖は、それぞれ山口貯水池・村山貯水池と言い、不足した水は多摩川から地下パイプで供給されるし、六道山や高根山は東京都と埼玉県の分水嶺になっています。9月8日、8月初旬以来の雨が、やっと降りました。


Nikon D200 + D5000 & Ricoh DRDⅢ


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丘陵はそんな環境から、菌類も豊富です。キノコや粘菌、冬虫夏草も
観察できます。

フェンスで仕切られた丘陵内部に、水道局の許可を得て入ると、30年以上前から
放置された小型トラックがそのまま朽ちながら残る場所もあります。
さながら南の島の湿度の濃い密林を思わせます。


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その丘陵に、30日ちかく雨が降りませんでした。

前回の雨は極端で、ゲリラ豪雨そのものでした。所沢地方1時間に66mmの雨は
NHKのニュースになり、近くの風景が紹介されていました。

干上がってきたいつもの池に、たくさんの動物があばれた跡が残っていました。
何度も書き替えられて、足跡の特徴がかき消され記録に残っていませんが
確かにアオサギまでも飛来していたのです。

コチコチになった干潟の痕跡に、埃や火山灰や他の土が堆積して堅くなると
これらの生物の証拠が示相化石になって残るわけですが・・・

数千年、数万年も待つ余裕はありません。


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その丘陵に恵みの雨が降りました。保水力のある丘陵のことですから雨の一部は
地下の自然の貯水池に保存されたでしょう。

雨の雫が木々の葉を伝わり・・・

ではないのです。

この画像の水滴はいつ行っても、雨が降らなかった頃行っても、
このまま静止していました。撮影はカラカラの9月4日です。


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以前も紹介したモミの樹の樹液です。じっくり見ていると、時間の静止を感じます。
澄んだ透明感の高い樹液です。


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こんなに透明でも、溶存する有機物質は豊富なはずです。

重力で落ちようとした樹液の流れを、固化出来る成分が含まれているのです。
多分、モミの樹の内部では流動性を保ち、割れた口からこぼれて
外の酸素に触れると固まらせる物質です。


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こちらにも雫が・・・湿地帯のススキ草原に面白い繭型がぶら下がっていました。


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ホウネンタワラバチの繭です。

稲に食害をあたえるメイガに寄生するヤドリバチの仲間です。
人から見れば益虫ということになります。

名前も豊年米俵(ほうねんこめだわら)からもらったようです。
今年の丘陵の稲のさく柄はどうでしょう。

今月末には稲刈りが始まります。人工管理地の水田は、日照りでも人の管理で
水は努力すれば、豊富に保てました。

さぞかし、自然湿地の植物にうらやましがられていたことでしょう。

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