大瀧雅寛

クロスケの家 - 透ける建具

2009年7月28日 | 大瀧雅寛 | Comment0

クロスケの家

所沢市内にある、クロスケの家に当麻さんと訪ねました。由緒ある、お茶屋さんの住まいや蔵を、トトロ財団が取得して整備したものだそうです。住まいに入ると、たくさんの知恵を見て取ることができました。「家の作りやうは、夏をむねとすべし」と。兼好法師の徒然草にあります。蒸し暑い日本の夏を快適に過ごすアイディアを建具に見つけました。


クロスケの家

開けっ放しにできる引き戸の玄関扉です。透明のガラスが入っている引き戸なので、来客が来たときに、玄関の鍵を開ける前に来客に会釈ができます。

クロスケの家

引き戸を通り抜けると、大きな土間のある玄関です。玄関には、簡単な接客ができるような囲炉裏があります。左側に明るく見えるのは茶の間です。

クロスケの家

玄関の土間に来客が来たときに、茶の間の様子を見せたくないときには、茶の間と玄関を仕切る引き戸を閉めます。この引き戸は、目の細かい格子になっていて、格子の部分に、紙障子を付けたり、外したりしたりできるようになっています。玄関の土間に来客が来たときに、茶の間の様子が透けて見えてしまいます。「半分隠したら見えないことにする」という言葉があって、来客の目には映っていたとしても、心の中では見てないことにする約束があったように、私には思えます。

クロスケの家

クロスケの家

茶の間とその奥の和室を仕切る建具も、風通しをよくするアイディアがありました。この建具の中間の障子の部分が取り外せるように、なっていました。夏期には取り外して暮らしていたことでしょう。見通しの効かない利かない建具ならば、もちろん見えない訳ですが、それでは、風通しが悪くなり、今の時代のようなエアコンがないときには、茶の間が蒸し暑くなってしまいます。そこで、建具の中に取り外しのできる障子をはめ込んでありました。この障子を取り外せば、風通しが期待できます。


クロスケの家

クロスケの家は何回も訪ねたくなる、懐かしくてやさしい建物でした。

クロスケの家とは@トトロのふるさと財団


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