大瀧雅寛

群馬県立近代美術館 - 1 -

2014年5月25日 | 大瀧雅寛 | Comment0

群馬県立近代美術館2014.05.25

群馬県立近代美術館は、群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」の中にある美術館です。20代の前半、私は初めてこの美術館を訪れました。収蔵されている美術作品を観るというのではなく、この「美術館」そのものを鑑賞しに行ったのです。

今日、20年ぶりに訪れました。車でのアクセスも関越自動車道「高崎玉村スマートI.C.」(ETCのみ)で降りると、高崎方面に向かい10分かからずに到着しました。


群馬県立近代美術館

県立公園「群馬の森」の大駐車場に駐車すると、公園の中へと入っていきます。大きな樹の向こう側に、こちらを向いている、何かが見え隠れしています。

群馬県立近代美術館

宙に浮くアルミパネルの立方体が、浅い水盤の上に浮いています。浮いていると言うより、私には、4本脚のスフィンクスのように見えます。まさに門を見張っているかのようです。

群馬県立近代美術館

この立方体は、右側に続く美術館に対して、斜め(22.5度)に配置されているのです。立方体は展示室になっています。ある建築家は、彫刻と建築の違いについてこう言います。「彫刻は建築のように、中にひとが入ることを考えなくていい」と。

群馬県立近代美術館

大きな馬の彫刻まで来ると、ふたつ並ぶ巨大はガラスの立方体が見えます。この公園は、かつての火薬工場の跡だそうです。芝生を敷き詰めた公園の上に、「立方体の枠が転がっている」のです。

「立方体」が意味するものは、美術作品を内包するための「器」なのでしょうか。「立方体」というキーワードが、何回も登場します。

群馬県立近代美術館

円弧を描くのは、エントランスにある6段の段差を避けるためのスロープです。バリアフリーの配慮は重要視されていなかったのでしょう。バリアフリーに関しては、別にコラムを書くつもりです。

群馬県立近代美術館

この美術館が竣工したのは、1974年。今年は2014年ですから、ちょうど40年前です。それでも不思議な魅力は色褪せていません。きっと、建築設計を超えた哲学に支えられているでしょう。

この美術館には、書き留めたいことがたくさんあります。数回に分けて投稿していくつもりです。

群馬県立近代美術館 - 2 -

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