トンボシーズンのまだ少し前、大瀧さんが「トンボは死んだらどうなるのだろう?」と言いました。私は地面に落ちたトンボは、アリたちが解体し土の中に運ぶ、普通の観察地でないところで死ぬと考えました。あれほど活動していたトンボたち。亡くなった瞬間に空気に溶けるのでしょうか・・・
Pentax & Nikon & Olympus
セミたちは、もっと短命な夏だったと言えそうです。
潔い終わり方です。
水面に光る空を見て、安心し朽ちる世界に入ったのでしょうか・・・
飛行中突然訪れた死でしょうか・・・
無数のヒメアリは、セミが集めた有機物を、さらに沢山の仲間の一部に替えていきます。
あれほど飛び続けられるヤンマも、休んだ次に
「もう飛ばなくても良いのだ・・・」
と死を受け入れたのでしょうか。
このオオシオカラトンボは、仲間といざかいの末に、負けてあげたのでしょうか・・・
クモに受け渡されたトンボのいのち。
受け渡したのは身体だけで、こころはいつも飛んでいるのだろう。
赤くなる前の赤とんぼ。
不慮の事故。
そして6月、多くの進化したトンボたちが活動する前に、全うしたムカシヤンマ。
自分から始まり数万年、数億年と遺伝子が進化したトンボの歴史。
自分より立派になっている、今のトンボを知らないムカシヤンマ・・・
自分が「すべて」「始まり」という思いで消えていけるのは幸せかもしれない。
喧噪の中に静けさの中に、いのちが替わり季節も動く。
<11月16日 11時27分に季節を越えた友人に捧げる>
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