当麻喜明

トンボの夏はどう終わる-2010年偏

2010年11月20日 | 当麻喜明 | Comment0

 夏盛りのミンミンゼミ 2010.8.17 

トンボシーズンのまだ少し前、大瀧さんが「トンボは死んだらどうなるのだろう?」と言いました。私は地面に落ちたトンボは、アリたちが解体し土の中に運ぶ、普通の観察地でないところで死ぬと考えました。あれほど活動していたトンボたち。亡くなった瞬間に空気に溶けるのでしょうか・・・

Pentax & Nikon & Olympus


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セミたちは、もっと短命な夏だったと言えそうです。
潔い終わり方です。

水面に光る空を見て、安心し朽ちる世界に入ったのでしょうか・・・
飛行中突然訪れた死でしょうか・・・


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無数のヒメアリは、セミが集めた有機物を、さらに沢山の仲間の一部に替えていきます。


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あれほど飛び続けられるヤンマも、休んだ次に

「もう飛ばなくても良いのだ・・・」

と死を受け入れたのでしょうか。


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このオオシオカラトンボは、仲間といざかいの末に、負けてあげたのでしょうか・・・


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クモに受け渡されたトンボのいのち。

受け渡したのは身体だけで、こころはいつも飛んでいるのだろう。


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赤くなる前の赤とんぼ。
不慮の事故。


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そして6月、多くの進化したトンボたちが活動する前に、全うしたムカシヤンマ。
自分から始まり数万年、数億年と遺伝子が進化したトンボの歴史。
自分より立派になっている、今のトンボを知らないムカシヤンマ・・・

自分が「すべて」「始まり」という思いで消えていけるのは幸せかもしれない。

喧噪の中に静けさの中に、いのちが替わり季節も動く。


<11月16日 11時27分に季節を越えた友人に捧げる>

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