7時になると、陽は谷の西側の林を照らすようになりました。林に露出を合わせると、丘は暗く写ります。そこで Pentax K5 のHDRという機能を使い、違った露出の3枚を重ねてみました。見た印象に近い丘陵の谷の朝です。
Pentax K5 DA18-135mm + Nikon D300 SIGMA 150mm MCRO
丘の半分にも陽が届くようになりました。
アンダー・適正・オーバーの3枚をカメラ内で合成しています。
森の吐いた水蒸気、小さな水滴でけむった場所に、光の道が見えました。
光はスポットライトになって林床に届きます。
幸せそうな若い葉は、一番最初に光合成を始め、新鮮な酸素を吐いてくれます。
スポットライトは林の中を日時計のように移動していきます。
白い光のスポットは、貝殻の裏の真珠層のように林床に落ちていました。
その中の一つを探ってみましょう。
赤い実の左にヤブレガサ。
チゴユリの華奢(きゃしゃ)な茎で寝かされた葉は、こんな時に
効率よく光を受け取れていました。
朝露に濡れたたんぽぽの綿毛。
閉じた綿毛の軸には、微細な水滴がぎっしりです。
ぽっちゃりした綿毛もありました。
びしょびしょのツバメシジミ。
驚かせて飛ばせては可哀想です。
拡大してみると触角にも水滴がぎっしりです。
感覚器としての触角の働きも、まだ期待できそうにありません。
キリウジガガンボの青い複眼。
胸部右に伸びる丸い粒は、この位置にあるべき後翅が退化したものらしい。
前翅が打ち下ろされたとき、上に動き、上にかいたとき、下に動いて
飛行の安定を図る器官のようです。
「平均こん」と言うのですが、飛行の安定だけでなく、素早い旋回などにも
利用されているらしいです。
こんなところでも羽化したばかりのシオカラトンボが。
カシラダカ。
ホオジロ。
ガビチョウ。
鳥は総じて早起きです。
2時間かけて谷戸を散策した後は、次の谷戸に移動しました。
もういっぱい光を受けた茶畑だったので、自作ピンホールレンズで撮しました。
Comments [3]
No.1m.tadaさん
朝ははよから自然散策して、夜は夜で空を観測して、いったい
toma先生はいつ寝ているんでしょうかねぇ~(笑)
「谷戸」という言葉がわからず、検索。山形では「谷地」という
らしいですね。地名に「谷地」というところがあります。
「ヤブレガサ」山形では「しどけ」という山菜です。
『血の道に効く』と言われ女性が食べると効果ありと言いますが
はてさてどんなもんでしょうか。
tomaさんから m.tadaさんへの返信
最近は、昼も夜も晴れることが少ないので睡眠は足りているようです。だいたい4時間くらいで快調なのですが、この倍は取らなければいけないだろうとは考えています。しかし美しいものが見られる間は、見続けていたいと思ってしまうのです。
ヤブレガサが土から出たての時は美味しそうですよね!いや、実に可愛いです。「血の道に効く」よいお話しが聞けました。
No.3m.tadaさん
訂正です。「ヤブレガサ」も山菜の1つですが、私の前回の
「シドケ」は「モミジガサ」のことでした。
似ているので、間違えてしましました。すいません。
ヤブレガサは本体に綿毛のようなものが付いていますよね。
モミジガサの茎や葉はつるつるです。茹でると茹で汁が黒褐色に
なります。春菊のような独特の濃い味がします。
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