スギナの胞子体「つくし」の胞子が面白いのを知っていました。実際に観察したくて、ずっと春を待っていました。面白いと思っていた期待が、尊敬に変わりました。
Olympus BH-2 & LEICA S4E
スギナの生きる作戦は、地下茎に発芽のためにエネルギーを
常に貯めて置くことと、
春に胞子体をつくり、胞子によって前葉体を経て発芽する方法の
戦術です。
40倍くらいまでなら、落射照明で「色」のわかる
双眼実体顕微鏡で見るのがいいです。
棒人間みたいなのが、スギナ(つくし)の胞子です。
触手のような4本足。
観察を生物顕微鏡に換えました。
400倍で3-4目盛りなので、約10μ(ミクロン)の大きさです。
全体では手のような部分を入れて、50μでしょうか。
棒人間のイメージが、なんだかドローンに見えてきました。
親を離れ、生活の場を拡げるために風をうまく使います。
面白いのは、この動きです。
スライドグラス上の胞子に静かに息を吹きかけると、飛行の
ための弾糸と呼ばれる部分が、ストレッチを始めるのです。
乾燥した日に、弾糸を拡げ風を受け飛んでいき、湿気の
ある日には縮んで飛んではいきません。また飛行中なら
湿気のあるところに着地です。
胞子そのものは、その仕組みに気づいていないかも知れません。
羽のような弾糸そのものが、生きていく使命を果たしています。
生きていくって、そういうことです。なんだかその健気(けなげ)
で懸命な姿に感動です。
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