当麻喜明

ビロードツリアブの夜と昼-最後のヒロバフユエダシャク

2012年4月19日 | 当麻喜明 | Comment[4]

001.JPG 2012.3.26 turiab no kyuusoku

ずっと待っていた報告です。昼のビロードツリアブの画像が撮れず遅れてしまいました。3月26日の夜の観察で、ばったり熟睡中のビロードに会ったのです。カメラレンズが寄っていっても、じっとしていたお陰で十分な接写が出来ました。ちょうどこの頃、多分今シーズン最後のヒロバフユエダシャク♀にも会っていました。

Nikon D300 & Lumix G2


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複眼がくっついているので、この個体は♂のようです。


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ネコヤナギの花に似た暖かそうな装いです。


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鋭く固そうな口器です。ラセン型で長い口吻と、このタイプの口吻、
どんな特徴が隠されているのだろう。


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昼の活動中のビロードツリアブを撮してから、これらの画像を報告しよう。
夜21時の戦士の休息。


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4月15日、オオイヌノフグリの中のビロードツリアブ。


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箸休め?枯れ葉で昼寝??


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3月24日、月齢1.8の新月に近い細い月の頃でした。


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ブナキリガが休む木の側で、


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思いがけなく見付けた命。開花寸前の、梅のつぼみの上に
ヒロバフユエダシャク♀の姿。


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25日、開花はじめた花をじっと下に見て、ひたむきに命のバトンを持って
仲間が来るのを待っていました。


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通常、同種の昆虫だと♂が早めに羽化した後に、♀の羽化が始まります。
子孫を残す「効率」に役立つとされています。


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しかし、このヒロバの場合は少し羽化のタイミングが遅かったようです。
24日夜に見付けたのですが、30日までほぼ同じ場所に留まっていました。


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26日には、梅はあと数個のつぼみを残すだけで開花しました。


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そのとき撮した最後の画像。多分この少しあと、見えない翅(はね)が
羽ばたいて、空高く昇っていった気がします。


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自宅にも来訪者。ウスベニスジナミシャク。たくさんある生き方の中で
フユシャクは、どうしてフユシャクの道を選んだのだろう・・・

Comments [4]

No.1

熟睡中のビロードツリアブの姿、初めて見ました。
起きている時もだけど、寝ている姿も可愛いですね~
頭部を持ち上げて固まっている姿が何とも言えないです(笑)
珍しいシーンが見られて得した気分です。
ありがとうございました!


出会い頭の・・・ばったり出会したビロードでした。
フユシャク探索の観察で見付けたのですが「戦士の休息」と言った感じの
雰囲気で「やっぱり、しっかり働くには休息も大切だな」と実感しました。

http://lapis2009.blog.so-net.ne.jp/2012-04-17

イチモンジハムシを柚子さんのブログで知りました。
黄色、黒、金属的な暗緑色・・・いつか観察したい甲虫です!

No.3

フユシャク初シーズンが終わりました。
いろいろお教えいただき、ありがとうございました。
秋が楽しみです。
その前に、トンボその他でもよろしくお願いします。m(_ _)m
4月に緑の森の博物館で、「フユシャク♀やった!」と思ったら、メスコバネマルハキバガというフユシャクではない蛾でした。翅の退化したそっくりなのがいるのですね。

こちらこそお世話になりました。トンボは羽化したシオヤトンボを大瀧さんが確認(目視)しています。間もなくシーズンですね!メスコバネの記事見ていました。産卵完了のようでホッとしました。私も是非見てみたいですね。

フユシャク♀の道も過酷な進化ですが、最近調べたミノガ(みの虫)も厳しい道ですね。♀の多くは翅どころか脚も無いというのですから、それでも生まれてくるのには「生きている」だけにも相当に尊い何かがあるのでしょうね。

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