昆虫の擬態はたいへん興味ある対象です。大型の野生動物がサバンナの樹木の影に紛れる例はありますが、昆虫類の擬態の業は観察していて感心しきりです。イチモンジカメノコハムシの幼虫は鳥の糞の形態です。これならば「鳥」から狙われることはなさそうです。自らの脱皮殻と自身の本物の糞が擬態のアイテムになります。
Pentax K5 + FA MACRO 50mm F2.8
この名作の「鳥の糞」をこんな虫が、どうやって完成できるのでしょう。
まえからずっと気にしていました。
ここからわかること・・・
糞の付いているベースに茶色い粘液のようなものが2カ所からでています。
自分の糞らしき針状のものが正面にあります。
角のような正面の触手で糞を支え「ポイッ!」と放り上げたらどうだろう。
案外こんな糞冠がやがて出来るのではないでしょうか。
1時間見ていたら、それを証明できるチャンスだったかも知れません。
自然観察が趣味(と仕事)といえ、まだまだ私は和製ファーブルには
なりきれません。
ゴミグモのゴミリボンと呼ばれる物体。
この吊した食痕のどこかに、主のゴミグモが隠れているはずです。
カモフラージュの製作の名手です。
気分を変えて、ウスグロコケガ。
よく見て比較をしてみましょう。ホタルガとシロシタホタルガ・・・
シロシタ氏は本サイトの客員教授です!飛んでいる姿も美しいです。
白いラインが弧を描き少し青光りするのです。
さて、表題のヨツスジハナカミキリ。見ての通り黒黄色の組み合わせは、
ハチへの擬態です。アシナガバチやドロバチより僅か小さくても、
肉団子にされては困ります。きっと昆虫界では危険信号なのでしょう。
腹部先端の形からヒメアトスカシバとコスカシバ。
腹部の模様から翅まで、そっくりハチを真似た名手です。
カノコガも微妙にハチに似せているのか・・・
ベニカミキリとムネクリイロボタル。
全身赤の虫たちは「赤く毒を持った虫」への擬態かも知れません。
可視光線で「赤」、毒々しい色なのでしょう。
リンゴモンハマキとウンモンクチバ。
カバイロシャチホコとキタテハ。樹表や枯れ葉に紛れる擬態。
ハチに真似るのが積極的なら、かなり控えめな謙虚な姿勢です。
ニワトコドクガとフタホシシロエダシャク。
まさか、床の模様に似せたわけではないでしょうが、よく紛れています。
戦闘機の主翼の識別マークのように、お互いを見付ける目印か。
光りが当たると金色に輝くコマルハナバチ。
観察に宿題が残ることは良くあります。
小さな葉が、粘菌のような生き物に支えられたようなものです。
こんなデザインになったことを、当の粘菌?は知っているのだろうか。
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