当麻喜明

ハチ似の虫たち-ヨスジハナカミキリ

2012年6月29日 | 当麻喜明 | Comment0

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昆虫の擬態はたいへん興味ある対象です。大型の野生動物がサバンナの樹木の影に紛れる例はありますが、昆虫類の擬態の業は観察していて感心しきりです。イチモンジカメノコハムシの幼虫は鳥の糞の形態です。これならば「鳥」から狙われることはなさそうです。自らの脱皮殻と自身の本物の糞が擬態のアイテムになります。


Pentax K5 + FA MACRO 50mm F2.8


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この名作の「鳥の糞」をこんな虫が、どうやって完成できるのでしょう。
まえからずっと気にしていました。

ここからわかること・・・
糞の付いているベースに茶色い粘液のようなものが2カ所からでています。
自分の糞らしき針状のものが正面にあります。


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角のような正面の触手で糞を支え「ポイッ!」と放り上げたらどうだろう。
案外こんな糞冠がやがて出来るのではないでしょうか。
1時間見ていたら、それを証明できるチャンスだったかも知れません。

自然観察が趣味(と仕事)といえ、まだまだ私は和製ファーブルには
なりきれません。


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ゴミグモのゴミリボンと呼ばれる物体。
この吊した食痕のどこかに、主のゴミグモが隠れているはずです。
カモフラージュの製作の名手です。


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気分を変えて、ウスグロコケガ。


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よく見て比較をしてみましょう。ホタルガとシロシタホタルガ・・・
シロシタ氏は本サイトの客員教授です!飛んでいる姿も美しいです。
白いラインが弧を描き少し青光りするのです。


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さて、表題のヨツスジハナカミキリ。見ての通り黒黄色の組み合わせは、
ハチへの擬態です。アシナガバチやドロバチより僅か小さくても、
肉団子にされては困ります。きっと昆虫界では危険信号なのでしょう。


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腹部先端の形からヒメアトスカシバとコスカシバ。
腹部の模様から翅まで、そっくりハチを真似た名手です。


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カノコガも微妙にハチに似せているのか・・・


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ベニカミキリとムネクリイロボタル。
全身赤の虫たちは「赤く毒を持った虫」への擬態かも知れません。
可視光線で「赤」、毒々しい色なのでしょう。


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リンゴモンハマキとウンモンクチバ。


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カバイロシャチホコとキタテハ。樹表や枯れ葉に紛れる擬態。
ハチに真似るのが積極的なら、かなり控えめな謙虚な姿勢です。


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ニワトコドクガとフタホシシロエダシャク。
まさか、床の模様に似せたわけではないでしょうが、よく紛れています。
戦闘機の主翼の識別マークのように、お互いを見付ける目印か。


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光りが当たると金色に輝くコマルハナバチ。


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観察に宿題が残ることは良くあります。


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小さな葉が、粘菌のような生き物に支えられたようなものです。
こんなデザインになったことを、当の粘菌?は知っているのだろうか。

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