当麻喜明

粘菌は動きまわるーイタモジホコリ

2015年7月31日 | 当麻喜明 | Comment[2]

001.JPG 2015.7.9 13h30m

可愛いキノコが並んでいました。たった数センチですが、粘菌はさらにその1/10の小ささです。7月4日から9日まで、生木で変形体が活動を始めました。半分は雨の日々でしたが雨天決行の観察をしてみました。

Pentax K-3 & Ricoh GRDⅣ & Olympus OM-D E-M5



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この間、七夕がありました。和菓子の練(ねり)製品は、動物的に
動きまわるような粘菌の、ある時期に似ています。


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アメーバーのように活動する粘菌の変形体です。この画像は
今回見つけた大きな変形体の僅かの部分です。


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変形体の活動方向の先端は、網目状になっています。また数本の
変形体が、山地から平野や海に変わるとき土砂が扇状に拡がるのと
同じ格好になっています。

こんな部分では、盛んにバクテリアを見付けて補食している
最中か、子実体になるところ探しているのです。


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4日から7日までの間で、特徴的な部分が変化しました。


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7日、16h55-56mまでの、たった1分間でも動きはわかります。
更に4分たつと・・・


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また姿を変えました。


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9日、8h39mの、この部分の変化も顕著です。


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動いて行ったり、足止めをくったり、戻されたり。落ち着いた
思慮深い私の友人たちよりも、慎重に動いていきます。


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4日16h44mから、7日08h40m、7日16h50mまでの移動です。
動きとキノコの形が崩れていく様子を見てください。
黄色い粘菌は、横のキノコを食べながら動いているのです。
その前には、食べ物を「探す」行動もしています。


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変形体から子実体に変化しました。実は「誕生!」という表現が
ピッタリです。


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数日にわたった、ドラマチックな観察でした。


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子実体の様子や変形体の色から、イタモジホコリだったようです。
8/2)アオモジホコリ→イタモジホコリに訂正しました。


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疑問を感じました。PCのモニターで等倍に拡大して見ていくと、
違う格好のものが、さらに2種類くらい見つかったのです。


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そのうちの1種は、イタモジホコリに似ていました。今回観察した
モミジ生木の表面や周辺には、無数の休眠や活動中の粘菌がある
はずです。活動を開始する条件が同じだったり、既に子実体に
なっていた別の粘菌のテリトリーに、新たに新顔が見えてきたと
考えるのがいいでしょう。
8/2)イタモジホコリの群生に他種がいくつか混じっていました。


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観察中、ニイニイゼミの幼虫が地面から出てきました。
セミは長い地下生活のあと、空を飛べる成虫に変態します。
この間に「サナギ」になる昆虫もいます。

粘菌の不思議な生活史の話はこれからも続きますが、生命活動の
不思議さは粘菌だけの特権ではないようですね。

Comments [2]

No.1

詳細な変化が見て取れる映像です!!!
本体はイタモジホコリです。
乾燥して子嚢壁が割れているものもありますから、更に胞子を飛ばすシーンも撮られては如何でしょうか。
疑問であったアカフクロホコリ北中で見つけました。
荒幡富士の物は別ものですが、正体は不明です。
2日は緑森倶楽部の観察会です。事務所に9時半集合で午前中散策します。お時間があればご参加下さい。

さっそくテーマを変えてみます。
イタモジホコリがベースの群生(?)なんですね。変形体から子実体への激変は感動ものです。なにしろ、動物のような生命体が植物のような生命体に、変化していくのですから。私たちの感動をよそに、もともと動物も植物も「生命現象」は同じ尊いものと教えられたようです。偶然ですが私も第二のアカフクロ似の粘菌をみつけました。


8月の日曜日は田んぼ作業が入っています。今日は個人散策を楽しんでみます。皆様によろしく!

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