当麻喜明

新カテゴリー「粘菌類」-生物分類の話

2015年7月28日 | 当麻喜明 | Comment[2]

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大瀧さんが新しいカテゴリー「粘菌類」を追加してくれました。粘菌は生物分類の中で植物的な時期と動物的なときを推移する、きわめて自由な生き方をしている私たちの仲間です。

Pentax K-3 & Ricoh GRDⅣ & Olympus OM-D E-M5


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生物かそうでないかの区別は簡単です。その間で生きている
ものを、私たちは知りません。(画像はジクホコリ)


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19世紀の初めまで、「生物は動物と植物の2界に分類できる」。
この考えが主流でしたが、考えは徐々に深まりました。


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3界説では、動物でも植物でもない生き物としてキノコやカビ、藻類
などを含む「菌類」が追加されました。


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以上は多細胞生物の分類です。私たちは、たった一個の細胞で
生命活動を行っている生き物をたくさん知っています。
それを分類して、新たに2つの「界」を追加した、生物5界説が
最近の一般的な踏み込んだ分類になりました。
(上:ウルワシモジホコリ 下:ルリホコリ)


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追加された単細胞生物のグループは、原生生物(プロチスタ)界と
モネラ界です。バクテリアや水中で生活する藻類の仲間で、細胞の
核が細胞質と区別されていない仲間をモネラ界としました。
それ以外が原生生物界です。粘菌類は、動物でも植物でもないので
原生生物(プロチスタ)界に入ります。
昆虫病原菌は、モネラ界です。


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粘菌の生き方は原生生物界にあっても、かなり自由です。
上の画像は、粘菌がアメーバーのように栄養を探している
時期のもので、変形体と呼んでいます。栄養を捕食するために
動いているんですから、動物のようです。


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画像の血管のような黄色い変形体と、白いキノコ状のものは
無縁なのですが、粘菌はあんな感じに変身し胞子をまく子実体
といわれる時期も持ちます。


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紫色の胞子を飛ばしたヤニミダレホコリ、私には解読でき
ませんが、たくさんの種類の粘菌が暮らしていた切り株。
そして、私でも読み取れた幾つかの種類を見つけた廃木。


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落ち葉→バクテリア→粘菌→捕食昆虫、教科書では扱いきれない
食物連鎖です。


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シロスジキノコヨトウ。種名に「キノコ」と入るユニーク蛾。
キノコと入るのは幼虫食草が「菌類・地衣類」だからでしょうか。
私には背(上翅)の模様が、白い変形体に見えてきました!


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前コラムでコメントをいただいたY氏の自宅で、さっそく実物の
ご指導をいただきました。自分でも標本箱を作成しました。
右のカテゴリー、狭山丘陵の12月下「粘菌類」に注目を!


Comments [2]

No.1

だいぶ粘菌注射が効いて来たようですね。
私も10数年前に射たれ数年後に発症し、ここにきて再発しています!!!


生き方の不思議、色の不思議、小さく控えめですが環境を支えている強さがあります。毎日変化を追っていると、決して後戻りしていません。日々成長ですね。
私の場合、幸い粘菌科のあるY病院が近かいので、薬も使わず、このまま進行させるつもりです。

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