当麻喜明

狭山丘陵の空と地面-ザトウムシとチョウトンボとてんとう虫

2011年7月30日 | 当麻喜明 | Comment[5]

001モエギザトウムシ.JPG

不思議なムシです。ザトウグモとも呼ばれていますが、クモ類とは違う特徴からクモ綱でありながらザトウムシが正しい呼び名です。さらに5,000種の中から本種を探れば「モエギザトウムシ」だと思われますがなにぶん蛾以上に資料不足です。常に脚を動かして、ゆらゆらゆうるりと生きていますが、肉食系の生き方をしています。

Pentax K5 + SMC PENTAX-FA 1:2.8 100mm MACRO


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この画角をしても全身像ではありません。
多分、最前脚と最後脚が先端まで写っていないはずです。

外国では「あしながおじさん」、日本では「千と千尋の神隠し」に登場する
「釜爺(かまじい)」のモデルでは?と言われています。

一対の単眼しかないので、光の明暗がわかるのみです。
そのため、ゆらゆらまさぐって歩行するのは、障害物や行く手を「明暗」のみで
判断しているからです。


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ななめ後ろ姿に全身像です。
正面の姿は、単眼のみといえど撮そうとすると方向転換されてしまいます。


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丘陵の葉の上や地面には、こんな不思議な生き物が生きています。


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う--ん、翅の中を想像し同定していたのですが、名前はわからず。
また今度会えるかもしれません。


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クロウスムラサキノメイガ。
なかなか良い色を出していますね!


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目の高さにイチモンジチョウ。


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高い新しく見付けた樹液ポイントにルリタテハ。


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そこに向かうカブトムシ・・・


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そんな風に目線を上げていったら、空にぎこちなく飛ぶ物体が見えました。
これはもしや・・・

ここはかなり西武球場に近い観察地(7月25日観察)です。
あのドームの屋根をつくる合成樹脂は、太いサーマルを発生させているでしょう。
運動性能より航続距離を優先させて進化したようなトンボ・・・
上昇気流を捕らえやすい羽根の形状。


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チョウトンボに間違いありません。

実は昨日、「てんとう虫」さんにお会いしました。
てんとう虫さんも同じ場所近くで、目視観察されていたことから
空と地面でチョウトンボが生活していることがわかりました。

数年前、はじめて「てんとう虫」さんにお会いしたのも、ここ西武球場の
近くでした。

私がチョウトンボを丘陵で見たのは、やはり高空を飛行していた西部と
ここの2回です。

「てんとう虫」さんにお会いしたのも、過去2回です。
タイトルの「ザトウムシとチョウトンボとてんとう虫」の最後の「てんとう虫」は
実は「ヒト」のてんとう虫氏のことなのです。

Comments [5]

No.1

こんばんは。
昨日は有難うございました。
いろいろお話が訊けて楽しかったです。

ザトウムシに挑戦されたのですね。
私はこの虫は難しそうで、何時もパスしていましたが今度は撮ってみたくなりました。
今度手に入れたレンズは軽くて優秀ですね。

チョウトンボ、流石です。
私は止まるのを期待している内に飛び去りとうとう撮れませんでした。
初記録ではないでしょうか。

翅を閉じている蛾はウスムラサキエダシャクに似ていますね、自信は有りませんが。
クモの名前、有難う御座います。
コゲチャオニグモで間違いないようです。
図鑑の紹介も助かりました。

またお会いいたしましょう。


今日は午後から観察に出ました。綺麗な翅のオオムラサキやトリノフンダマシ、アカタテハ、そして数種の蛾を撮し帰ってきました。大瀧さんに時間が出来たら、また丘陵東部に行ってみたいと思います。

フィリピンあたりではコゲチャオニグモが「蜘蛛相撲」に使われているようです。

http://www.asahi.com/areanews/kochi/OSK201101110110.html

面白い記事が高知朝日にのっていました。

ウスムラサキエダシャク早速調べてみます。
ありがとうございました!!

No.2

コメントに名前をわすれました。
すみません。

No.4

モエギザトウムシの足・・・長い!!
ルリタテハは撮ったことがないような・・・意外と木と似ていて
気づきませんでした。それを見抜いて撮る当麻先生の目は昆虫に
ピントが合うようになっているんですね。
僕もその目になれるように頑張ります。
当麻先生がチョウトンボを、2回しか見たことがないということは珍しいのですか?

明暗差と触覚で、探りながら進んでいきます。いつもゆらゆら揺れているので、動画からの切り出しがいいですね!事務所員のみなさんはみんな「虫の眼」を持っていますよ。

http://toma.ootaki.info/dragonfly/2010/2010-0722-ootaki/

葛飾の水元公園で大瀧さんが沢山観察しています。しかし狭山丘陵で確実に生息している場所は、意外と知られていません。この次の仕事は「アオバズク」にしますか?「チョウトンボ」を探しますか?

http://toma.ootaki.info/nature/sayama/2011-0727-toma/

この前のアオバズク、良いショットがありますか。画像も掲示板からなら投稿出来ますよ!

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