当麻喜明

南極老人星と越冬ウラギンシジミ

2012年1月27日 | 当麻喜明 | Comment0

101.JPG 2012.1.25 22h50m no tenshi

この種の同定は難しいです。ナミスジフユシャクだと思います。たくさんの観察経験がある方は頭の中の感性のスイッチが働き瞬時にわかるようになるから不思議です。この♀は少ない2日間の観察でも、位置を変えずにじっと静止しています。落ち着かない少年時代を過ごした私の、見習うべき行動です。

Ricoh GRDⅢ + Pentax K5 & Nikon D300


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彼女、ナミ子の暮らす環境です。隠れるなら「緑色」の方が効果的ですが、
色白でも「観察慣れ」していない人では発見するのは案外難しいかも知れません。


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びっくりしたのは、このストロボ光の影に入った失敗作です。
デフューザーがなかったのでストロボが拡散せずに影になったのですが・・・
しかし、影の中でも独特の発色をしていました。それは燐光か、
夜光貝の炭酸カルシウムか何かが、畜光し自ら発行しているようにも見えます。


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この夜間観察は虫だけでなく、星の観察とあわせて行いました。
荒畑富士の空にオリオン座、冬の星々。


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ヒヤデス星団とプレアデス星団の光跡。共に冬を代表する散開星団です。
ならば頑張っている、「フユシャクの星々」と名付け彼らを星座にしてあげたい。

牡牛座の頭部ヒヤデス星団がオス、プレアデス(すばる)がメスということで。
大きさの対比・季節・ぴったりだと思うけれどどうでしょう。
なにより寒さに耐えているフユシャク35種に心からご褒美をあげたい。


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荒畑富士山頂から見た南の空。Pentax K5 DA15mm で撮影。
西武園観覧車、左の鉄塔の少し左にカノープス。
南極老人星とか、七福神の寿老人を表すことから寿星とも言います。
寿老人は長寿を司る神だと言われます。見えましたか?


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DA 70mm で撮影。4秒露出を150枚重ねました。
古代エジプト語で「大地のすれすれにある黄色い星」が変形されカノープスと
なったという説もあります。東京付近で、南中高度はたったの2度です。

レンズを通してしっかり確認した私は、長生きできるでしょうか。
福禄寿のように頭が伸びてしまったら困るけれど。


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ここに来る前、いつもの北野天神で夜の観察。
鳥居にいたのはウスバフユシャクのようです。


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見事に鱗粉のとれたウスモンフユシャク。
薄い白んだ後翅がきれいです。


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灯籠にベニモンツノカメムシ。


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さて、雪の日にいなくなったウラギンシジミが、実は健在だったのです。
そして、いないと思っていたこの前日の画像にも、写っているはずの位置なのです。
氷付けのウラギンシジミがわかりますか。


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ウラギン型の氷が・・・


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氷付けの、本物のウラギンシジミだったのです。
私がえがいた不憫(ふびん)である感情を超えて、なんとたくましい生き方!


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25日、夕方6時の健在の図。


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凜とした生きようとする姿勢。
生物は「生きているもの」ではなくて「生きようとするもの」だと感じました。


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帰り道には金星と二日月。新月から2日の月は、まだ細く低いです。
翌26日には月は金星まで昇り、一文字に並びます。

フユシャクが星座になるなら、ウラギンシジミの星座もあってもいいです。
元気にここを離れる、「春」にちなんだ星座がいいかなっと思います。

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