見晴らしのいい角部屋のジョウカイボン / 2011年5月31日
5月末の台風2号は、関東地方に近づく前に温帯低気圧に変わりました。
予想されたほどの雨量ではなかったのですが、雨天が続きましたが、今朝はようやく上がりました。
雨上がりを待っていたトンボの羽化が見られるのではと思い、早朝、狭山丘陵に寄ってみました。
池の脇の林縁に、クサギでしょうか、大きなしっかりとした葉を持つ低木があります。この樹の上には、さらに大きな樹が覆いかぶさっているので、雨をしのぐには好立地の場所です。
よく見ると、ここには、たくさんの種類の違う昆虫たちがいました。まるで昆虫マンションのようです。
ジョウカイボンが、まず目に入りました。他の階の様子をのぞいています。引越しを考えているのでしょうか。
ナナフシモドキは、私の目の高さの葉の上にいました。葉の輪郭をなぞるように、脚を拡げています。
こんな顔をしていました。前に真っ直ぐと伸びる触覚は、白とグレーのツートンカラーです。
馬のような顔をした面白い虫、ヤマトシリアゲです。腹先が尖っているだけなのでメスのようです。オスの腹はくるりと廻り、先端はハサミになっています。
羽化したてのウンカ。目もきれいな緑色。
葉の上ではなく、葉の裏側の居心地が好きな生き物もいます。手塚治虫の火の鳥の一話だと思うのですが、こんな話を覚えています。
太古の昔、突然の火山噴火により、数人のひとと動物が洞穴に生き埋めにされてしまいました。中にはライオンもいるのですが、うさぎなどの食べられてしまう側の小動物たちは、なぜか落ち着いています。というのも、ライオンは空腹で必要な時にしか狩りをしないと、知っているからでした。
このクモも、きっと無駄な殺生はしないでしょう...
私の足元の草を見ると、コフキゾウムシが。
地味にきれいなマドガ。漢字では「窓蛾」、翅に白く見える半透明の部分を窓に見立てています。
昆虫マンションから出勤した、ヒメヒラタアブ。私の目の前で、しばらくホバーリング。
羽化したのアカシジミ。胴体も純白です。大きな左右の翅のかみ合わせを調整するかのように、ゆっくりと上下に動かしています。
オレンジの翅を持つアカシジミは、触覚の先端もオレンジでした。
数日前の昆虫マンションの様子は、当麻さんのコラム、「小雨の中の生き物の振る舞い」をご覧ください。
コメントする