当麻喜明

いよいよ糖蜜観察2/5-糖蜜の吸い方

2012年2月25日 | 当麻喜明 | Comment[2]

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構造の面白いボトルは使い切っても捨てるに忍びない。きっと工業デザイナーが試行錯誤してモックアップを作り、完成させたのでしょう。シャンプーなどのボトルは噴霧が出来ませんが、この観察に使用してみました。そして恥ずかしながら口吻を(くちびる)と読んで来たのですが、やっと正しい読み方がわかりました。

Lumix G2 + LEICA DG MACRO-ELMAT 1:2.8/45 ASPH.


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糖蜜は人工物の上でも有効です。観察と言えどもモラルは必要ですが・・・
コンクリート上だと吸い込みが少ないので、案外持続に貢献しそうです。


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複数集まるときも、まったく来ないときもあります。
風向・風力、気温それに月齢など考慮して今研究中です!
春の花が咲き始めるのは嬉しいですが、そうなったら人工糖蜜より
蛾たちには本物を楽しんでもらいたいです。虫愛好家の親心です。


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さて、ハネナガモクメキリガが面白いことを教えてくれました。


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「僕がどんな風に美味しい糖蜜を吸っているかわかるかい?ワトソン君」


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「私も同じだよ。不思議だろう・・・コロンボ警部」


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これは難解です。真ん中に穴の空いたストローを想像していたので
この「しゃぶりつき方」に感心しました。

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私は昆虫の口のことを口器と表現してきましたが、正しい名称は口吻でしょう。
これを「くちびる」と読んできましたが。正しく読むと「こうふん」ですね!
ハワイやグアム島を「常夏の国」(とこなつのくに)と読みますが、私は何十年も
「ココナツの国」と言っていました

この口吻にはさらに細かい毛のようなものが付いています。太く長い口吻が栄養まで
誘導し、実際に吸収させる部分はこの毛状体でしょう。分子レベルの大きさなら
細ければ細いほど、毛管現象の吸い上げは大きくなります。私は何か消化液の
ようなものを分泌し、外部消化した液体を吸い上げている気がしています。

植物の根毛のような細い毛状構造に感動。


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食したあとは、行儀良く口吻はしまい込みます。
小惑星探査機「はやぶさ2」は、こんな方法で地下サンプルを集める計画です。


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ここからはキリガ図鑑です。


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かなり個性的ですがチャマダラキリガ。

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ナワキリガとヤマノモンキリガ。うっとりする美しいレディー・蛾蛾。
ナワキリガのナワは縄ではなく名和だとATSさんから教えていただきました。
名和といえば、私がもっと知りたい「名和 靖」博士ですね。
ファーブル時代の日本の昆虫研究家。セミヤドリガの学名にも登場します。


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切り株の上のカシワボシキリガ。


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ハンノキリガ。多くの蛾にある翅の小豆状の斑点。
樹表のブロック模様の擬態でしょうか・・・
越冬キリガの話題はまだまだ続きます。

参考:名和昆虫博物館

Comments [2]

No.1

ハネナガモクメキリガって、すごい面白いですね^^

度アップで見ると毛みたいのに覆われてて、凄いなって思いました!!

同感です!すごい迫力で暖かそうですね。たかが虫けらとかたづけられない美しさもあります。枯れたような冬の雑木林ですが、様々な生き物が必死に生きているのを知るのは感動ですよ!

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