フユシャクという蛾の仲間の♀はどれも面白い。蛾の観察をしていて、素人ながらこの♀を見付けたら、何かワンステージ上がったような、ちょっと気分が高揚するものだ。生活史が面白いだけでなく、未だ進化の「途上」を感じるし、なにより見つけにくいので発見の喜びは学問抜きで嬉しいのだ。12月に入ると虫仲間のブログが気になります。フユシャクの狭山丘陵のピークは12月1-2週だった。静かだった冬の雑木林が、彼らの乱舞で見事に輝いた。
Nikon D300 & Pentax K5 & Lumix G2 &Ricoh GRDⅢ
落ち葉の上のクロスジフユエダシャク。
色合いも筋模様も、見事に枯れ葉に同化します。
青い葉が紅葉し、枯れ、葉脈が濃く線書きされ、虫の食痕が黒くなるのを
いつ何処から学んだのだろうか・・・
見失うと探すのが大変です。
クロスジはいったい何処に隠れたのだろう?
連れが見つけた、クロオビフユエダシャクの・・・♀です!!
一般の習性では、翅は開いてとまることが多いとされています。
僅かな翅の模様で、これも樹肌に紛れるはずです。
じっとしていたので、三面図が写せました!
近くの木にヤニサシガメがいました。冬の昆虫写真は貴重です。
黒光りと金色の腰がステキです。
虫仲間のてんとう虫さんが、フユシャク♀のホットスポットを見付けてくれました。
早速、時間を工面し移動に合計1時間、観察30分で大収穫でした。
まず、クロスジフユエダシャクの♀。
退化しかかった翅が「蝶ネクタイ」のようだと言われます。
冬場に放熱器になってしまう翅を無駄として退化させました。
クロオビフユナミシャクは、大きめのマフラーのような翅が残っています。
以前ATSさんに教えていただいたお話の中にこの「翅」の話題がありました。
私たちは「退化の途上の翅」を見ているのか。「擬態に活用している翅」を
見ているのか、諸説あるという興味深いお話でした。いずれにしても私たちが、
この真の意味を知るのには1万年くらいかかるかも知れませんね。
さて、これは冬に珍しい甲虫でしょうか。ゴマダラ何とか言うカミキリでしょうか?
実はこれもレディー・蛾蛾の、チャバネフユエダシャクの♀なのです。
勉強不足の私が初めてこの種の存在を知ったのは、こちらのサイトでした。
以来、憧れていた通称「ホルスタイン」です!
上)クロオビフユナミシャクの♂ 下)チャバネフユエダシャクの♂
私たちはフユエダシャクの仲間に進化の過程が学べます。
さらに、彼や彼女らには「食べる」為の口器がありません。
水分を含む食物を体内に取り込むと、身体が凍ってしまうので
成虫になったら何も食べません。
生きるために手にした工夫は、ときに「壮絶」な印象を感じます。
私はフユシャクから「生きていく大切さ」あるいは「根性」を学べます。
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