杏姫―ウルワシモジホコリ
柄も子のうも、暗赤色から赤紫色です。初めて名前を確認したとき、なんと言い得たセンスのよい名だなあと思いました。しかも学名の日本語訳は「最も美しい」なんです。
Olympus OM-D E-M5 & Pentax K3 + EL-NIKKOR 50mm 1:2.8
7月29日、定点の廃木の小さな室を観察したとき、赤い変形体が
あるのに気づきました。
8月1日、変形体は室の下を這っていました。そして翌日の朝、
赤い子実体になりました。観察にじゃまな植物破片をどかして、
撮影した新鮮な子実体。ところが・・・
8月2日に確認していた子実体が、3日にはほとんど消えて
しまいました!
悲しい気持ちを冷静に抑えて、よーーーく見ると、確かに痕跡が
残っていました。「最も美しい」粘菌を前にして、虫たちに
「お預け」とは言えません。
月が進んだ9月、また赤い変形体に会いました。
奥の方からも、出てくる仲間がいました。
上) 9月5日6h50m 中)同 11h50m 下)6日6h10m
粒ぞろいの杏姫!ウルワシモジホコリ。
美しいものを、ほおっておくわけがありません。ドット模様の
不思議な虫が、側にいました。
9月6日には、別のところでも赤い変形体。この日以後、雨が続く
日々です。回復するのは12日とか。子実体には乾燥した風と気温が
必要です。雨の毎日、どうしてるかなあ・・・
6日に生まれていた、ウルワシモジホコリの一部を採集しておき
ました。翌日、色合いは少し紫がかってきました。胞子が乾燥して
くると色調が変わります。EL-NIKKOR 50mm 1:2.8 という古い
フィルム時代の引き伸ばし器のレンズで撮影しました。
異例なくらいの、秋の長雨が続いています。そんなときは
お茶を飲みながら、顕微鏡観察も良いですね!
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