これは「たまにしか見つかりません。」と、喩(たと)えられるアカフクロホコリです。8月1日に初観察しました。実はこの粘菌の考察だけは7月17日から始まっていました。
Olympus OM-D E-M5 & Pentax K3 & Ricoh GRDⅣ
この画像は、別の粘菌が発生していた生木を、徹底的に精査して
いたとき偶然視界に入ったものを写したものです。
ボールペンチップの、1/3~1/2くらいの大きさです。赤く
ブツブツ感があり、イチゴの表面みたいです。
平凡社の図鑑二冊で確認するも、背景が同じで、同じ撮影者に
よるものですから、もう一冊参考にと確認しました。
素人目に、これをこの時点ではアカフクロホコリと同定しました。
大きさ色合い、表面の様子が似ています。
図鑑写真の背景はヒバの葉のようです。心当たりのある場所が
あったので、観察に行きました。
ここでは、ハイイロフクロホコリ風のものが見つかりました。
(7/17撮影)
8月1日早朝、赤い粘菌との劇的な遭遇をしました。腐木を裏返して
みたら、とても新鮮な粘菌に会ったのです。
部分的には、まだ変形体が残っているところがありました。
変形体は鮮やかな赤色、子実体はいびつな球形で真球のものは
少なく、柄(軸)はなく、くっ付き合っているものもあります。
これこそ、アカフクロホコリです!このときから、7月に観察した
菌類か粘菌を「赤い疑惑」と呼ぶことにしました。
8月25日にユガミモジホコリを観察しました。そのとき、画像を
PCモニターで拡大していたら、0.5mmほどの「赤い疑惑」そっくり
なのが写っていました。
27日、あらためて「赤い疑惑」を観察に行きました。今度は
「赤い疑惑」が観察のポイント(スター)になったのです。
探してみると、ずいぶんたくさん見つかりました。
上)8月27日撮影「赤い疑惑」 下)7月17日撮影「赤い疑惑」
両者は同じものですね!
上)「赤い疑惑」の顕微鏡写真 下)アカフクロホコリ
同じ50倍画像です。両者は違うものですね!
相談していた所沢粘菌同好会のY氏から「疑惑のものはアカツブタケ
らしい」とお聞きしました。アカツブタケは保育社発行の
「きのこ図鑑」に記載がなく、ネット情報もほとんどありません。
早速教えていただいた情報を元に調べたところ、画像に一致する
ところが沢山ありました。
アカフクロホコリだと思っていた、「赤い疑惑」は、珍しい
アカツブタケでした。そして本命アカフクロホコリの発見!
今年の夏の、私の自由研究のお話です。
Comments [2]
No.1吉田 隆介さん
私のサンプルの中にも、虫の卵や菌類らしき物と正体不明の物が幾つもありますが、気長に疑惑の解明を待っています!!!
tomaさんから 吉田 隆介さんへの返信
おかげ様で、謎はひとつ解けました。観察していると、新しい疑問が次々出てきます。自然はシンプルなものだと思うので、きっと人間が思いもよらない方法で粘菌たちも生きているんだろうと思います。
アカツブタケも、キノコファンが必死で探している「あこがれ」のキノコなんじゃないかなと思うことにします。
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