胞子を飛ばす仕組みは、高等な菌類に進化すると複雑です。機械的な仕組みだけではなく、動物の五感を巧みに刺激します。種子植物ならなおさらです。
Pentax K-3 & Olympus OM-D E-M5
粘菌類に工夫があるとすれば、子実体に変化する場所でしょうか。
変形体で生きた場所より高いところで変化し、また数ミリといえ
どもより高い軸の上で胞子を飛ばします。
ここまで形が崩れると何だかよくわかりませんが、モジホコリの
仲間で、シロモジホコリかアオモジホコリでしょうか。
シダ植物は、葉の裏にソーラスと呼ばれる胞子のうの集合体を
つくります。今頃が、胞子を見るにはいい時期です。
小さなカタツムリの様なものが見えます。顕微鏡でこれを観察
していると、光源装置の熱で丸まった軸が伸び、胞子がバネで
弾かれるように飛ばされるのを見られます。
スジチャダイゴケです。
このキノコも面白い仕組みを持っています。体と一体のような蓋が
取れると、白い内蓋が現れます。この白い蓋は、雨や風でやがて
なくなります。
中に、碁石のような胞子のうが待機していますが、胞子が熟す
まで、菌糸で底につながっているという念の入れようです。
(ネズミノチョキンバコなんていう名前を付けたいな。)
再び雨で、この碁石のような胞子のうは、茶碗みたいな部分から
飛び出し、無数の胞子を散らばらせます。飛び出した胞子のうが、
右下に見えますね。この碁石に無数の胞子が内蔵されています。
発生直後から白っぽいので、シロススホコリだと思います。
ススホコリ。さらに詳しく調べると、キフシススホコリかも
しれません。
上は7月13日撮影のススホコリ、下は8月6日撮影。胞子の飛散は
自然任せですが、立派に身を粉(こ)にして全うしたよう
ですね。シンプル・イズ・ベスト!
「粘菌は胞子で増える」はこれで終わりますが、粘菌からは
たくさんの観察テーマが生まれます。アミメケンモンの幼虫、
食草は地衣類とされています。成虫のメスは食草の豊富な
ところに産卵します。この模様、地衣類や変形体などに擬態
したんだと思いませんか?
セスジナミシャクも見事な模様をしています。今まで、いったい
何からこんな模様になったのだろうと考えてきましたが、
廃木や古い切株で見かける、菌糸のある風景に似ています。
(ただし幼虫食草はアケビ科の植物ですが。)
オビカクバネヒゲナガキバガ。幼虫食草不明とされています。
それなりに隠れています。食草は地衣類??
ヨツボシホソバ。幼虫食草地衣類。この模様は・・・似てない!
人でも蛾でも、ユニークな服装はいるものです。
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