当麻喜明

田んぼの水切り-クロメダカとコモリグモ

2014年8月10日 | 当麻喜明 | Comment0

001.JPG 2014.8.7 medaka no gakkou

お米を作る行程は、88の過程があると言われています。「米」という漢字を八十八と読み解くことから言われるのかもしれませんが、大変なことに違いはありません。田んぼの作業と生きものは共存してきました。
entax MX-1


002.JPG

はじめの画像のメダカは、ここから救ってきたものです。


003.JPG

田んぼの水切りは、稲の根を土の中に拡げることや土に酸素を
入れることが目的です。丈夫な自立できる稲を育てるのに欠かせ
ません。この田は無農薬ですから、コナギもはびこっています。
収穫率を上げる目的の田ではありませんから、普通の農家より
おおらかな管理をしているのです。


004.JPG

005.JPG

しかし水を切れば、そこで生きてきた生きものには一大事です。
多くの田なら一気に水を抜いても、メダカや他の生きものは川に
生活の場が移るだけです。


006.JPG

ここでそれを行うと、生きものはコンクリートのU字溝や暗渠
(あんきょ)に排水され生活できなくなります。前回コラムの
丘陵ツアーの時、それを救っているMさんにお話を聞きました。


007.JPG

私も知ってしまった以上、何か出来ないか考えました。
田の管理をされているS氏や、いきものふれあいの里センター
の協力をもらい、受け入れ先は確保出来ました。


008.JPG

救出作業をしていたら、ここをよく知るI氏やてんとう虫さんも
参加してくださり、30位の小さな命を救えました。


009.JPG

010.JPG

クロメダカやドジョウやモノアラガイやその他の命です。


011.JPG

稲の管理に必要な水門にオオシオカラトンボかな。


012.JPG

013kikuzukikomorigumo.JPG

乾きかけの水田に、腹部がパンチパーマのクモが動きました。
とてもすばしこいクモでした。
(上の画像、暗い壁にももう一匹。)


014kikuzukikomorigumo2.JPG

015.JPG

キクヅキコモリグモは、水田近くの草地を徘徊し小昆虫を補食
することから、水田の益虫(?)とされています。

腹部のポツポツは子グモ、コモリグモは子守蜘蛛と言うわけです。
ここに虐待の文字はありません。さらにカバキコマチグモなど
では、子の最初のエサが疲れた母グモなのですから・・・
生きものから学ばせられることはたくさんあります。


016.JPG

さて、ここの水田のもうひとつの命のドラマを見ました。
ヒバカリという蛇は、水切りで残る小さな水たまりのメダカを
捕食します。新しいアライグマの足跡、アライグマは雑食性で
マムシをも補食すると言われます。


017.JPG

クモの巣に掛かったセミを救出しない私ですが、水切り田んぼの
メダカには、少し関わってしまいました。


018.JPG

019.JPG

関わってくださった全てのひとにありがとう!
命に大きさの差はないですから。

コメントする

公開されません

← ホーム  ↑ トップ