当麻喜明

優曇華(うどんげ)の花-クサカゲロウ

2011年8月19日 | 当麻喜明 | Comment[2]

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荒幡富士山頂で生きるための熾烈な戦いが行われています。見晴らしが良く、雲やスカイツリー、本物の富士山も見える展望の地なので、ルーペで手元を観察している人はあまりいません。画像の葉から飛び出した白い粒々を、優曇華(うどんげ)の花ともいいます。これはクサカゲロウの卵塊です。

Ricoh GRDⅢ & Lumix G2


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クサカゲロウの卵が割れると、開いた殻が花のように見えるそうです。
いつそうなるか、観察しているのですが、まだ未確認です。


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そして、不思議に感じることがあります。その、産卵の方法です。
針状の茎のような先端に卵魂・・・このような構造の建築物を、
どのように施工するのでしょう。

成虫の姿は、こんな感じです。 てんとう虫さん撮影
産卵の方法がわかりますか?


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クサカゲロウといっても40種ほどいるようですが、エサはアブラムシです。
このように、アブラムシが多いところに産卵に来ます。


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中央に翅のあるアブラムシがいます。


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翅のあるのがメスのアブラムシです。
クサカゲロウがやって来ると、翅のないオスの一部がメス化して翅を持ちます。
メスは遺伝子を携えて脱出し、オスと交尾せずに卵を別の所に産むそうです。


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別の木の葉の裏に、白身魚の肉のようなものが付いていました。


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これは正しく植物にとって天の恵み、正義の味方の幼虫登場です。
はじめクサカゲロウの早期誕生組かと思いましたが、
コクロヒメテントウの幼虫です。

てんとう虫さんに教えていただきました。
コクロヒメテントウについてはコメントのリンクを参照してください。


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上から見ても、横から見ても不思議なデザインの幼虫です。
白い針状のミノにくるまって、カイガラムシに擬態しアブラムシと共生
関係にあるアリを欺(あざむ)いているそうです。


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なんと、こんなところにも「うどんげの花」


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しばらく乗っていなかった自転車のカゴです。
それにしてもいつ・・・


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すでにカゲロウは幼虫になったようです。


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下は天体画像につかう月面などの処理を加えたものです。


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これは以前紹介した、別のクサカゲロウ(幼虫)です。
観察も場数を踏むと、いろいろな事例がつながってきます。

Comments [2]

No.1

お早うございます。
朝から雨ですね。
何時も当方の紹介をして頂き有難うございます。

クサカゲロウの産卵シーンをネットで探しましたが見つかりませんね。
ホントどのようにしてあんな形になるのか不思議です。

下の方にあるカイガラムシのような白い幼虫は、クサカゲロウの幼虫ではなくてコクロヒメテントウの幼虫だと思います。

私も以前この虫を観察したことがあります。
拙記事を参照してください。
http://hushigimituketa.blogspot.com/2008/09/blog-post_4696.html

アブラムシと共生関係にあるアリを騙すために、カイガラムシのフリをしているそうです。

写真を見ると下半分がテントウムシの幼虫ですね。


No.2

小雨の朝、荒幡の電柱にヤママユがはり付いていました。クサカゲロウの画像はてんとう虫さんのサイトに何枚かありましたが、一枚選ばせていただきました。ありがとうございました。

コクロヒメテントウとその幼虫を確かめました。さっそくコラムに生かさせていただきました。半径2mほどの荒幡富士山頂ですが、生物の生きるための交叉は三つどもえ、四つどもえ・・・大世界なんですね!
勉強になりました。

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