QHY5P-Ⅱの試用のため光学系を換えました。ユニトロンのED125mm FL1250mmです。ユニトロンがロラン電波灯台の着氷など観察用に、海上保安庁から特注された機材と同型です。
UNITRON ED125mm Fl1250mm + QHY5P-Ⅱ
3月22日、19h15m。望遠鏡の先に月と木星が望めます。
これから紹介する月や惑星は、21日から23日にかけて
撮影したものです。
撮影には二倍のバーローを使用しました。QHY5P-Ⅱは
画素ピッチが小さく、高画素なのでビギングや中央
トリミング撮影で、好条件を見付けているところです。
木星のガリレオ衛星が4個視界に入りました。
1,000枚撮影中の600枚を選びスタックしています。
23日の半影月食は、あいにくの天気で観察できませんでした。
画像は前日の月です。
月面のひときわ明るい地形、
アリスタルコス台地。夜明けのときでシュレーター谷が明瞭に
見えました。水の流れた地形風ですが、地下を流れた溶岩が、
一種の溶岩洞窟をつくり、やがて上壁が陥没したあとの谷なの
だと言われています。全長160km、幅6kmは、地球の同地形の
100倍以上の規模です。
アルプス谷は全長180km、幅10km、月が形成される初期の変動で
出来た地溝だと言われます。地球ではアラビア半島から、
アフリカ北東部に延びるアフリカ大地溝帯が有名です。
その全長6,400km、幅50-60kmと比べると、アルプス谷は小規模
です。大きな地殻変動の終わった月と、現在進行中で、数万年後
のアフリカ北部の地図を変えるホットスポットを持つ地球と比べ
てはいけませんね!上弦頃の美しい地形です。
雨の海の中の、最大クレーターはアルキメデス、直径83km。
右側の山脈はアペニン山脈です。
これらの地域のモザイク合成です。
二重クレーターのロビンソン。
中央クレーター群の中に、直線的な地形が見えます。
これは西(左)が低い180km伸びた断層です。切り立った
断層に見えますが、落差300mで最大傾斜27°ほどなんだ
そうです。ソリ遊びにピッタリです。
月面南部はクレーターだらけです。ほとんど円形クレーター
ですが、シラーだけは楕円形(180×70km)の異質な姿です。
再現実験によれば、角度10°以内のインパクトで作られた
ことがわかってきました。
これまでQHY5P-Ⅱによる、拡大画像を紹介しましたが、月と
惑星の接近ショーは肉眼で楽しめます。
タイトル画像は22日撮影、最後の画像は21日撮影です。
月が天球上を後ずさりしているのがわかります。
月が満ちていると、暗い星空は望めません。そんなときは、
月そのものを楽しめばいいのですね。
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