当麻喜明

GR200SSによる月齢11.6

2009年12月29日 | 当麻喜明 | Comment0

左の月齢表示と追いかけっこです。いつもと違う「ニュートン反射」で撮しました。この画像は月の公転(移動)方向を東西に合わせたので、月齢表示と一致するスタイルです。月は肉眼でも模様がわかるので昇るときと沈むときでは、模様が180°ひっくり返ることがわかります。

VIXEN GR200SS + コマコレクター + 1.7× AF ADAPTER + PENTAX K7 & AD-VIX 103SS + AD-1 + ×1.5 + LUMIX G1


mAD-VIX1228.jpg

18時頃、スーパーの駐車場で撮しました。カメラを水平にセットしたので、肉眼で見たときのスタイルです。この画像は「短焦点アクロマート屈折」で撮しました。等倍で画像を観察すると盛大な色収差が主にクレーターの周りに現れています。この鏡筒の設計思想に反する利用なのであえて拡大画像は載せませんが、シーイングも悪く、自然そのものの撮影条件が揃えば画像の向上はみられるでしょう。

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以下の画像はこのように GR200SS に PENTAX AF 1.7× AF ADAPTER をつないで撮影しています。しかしこれも月面の拡大撮影の常套手段ではありません。オートフォーカスが得られるか実験したものです。

ところが・・・マウントのピンがショートするよう改造していませんでした!!
(実験は次回に)

mmpm1.jpg

月の地形-ウォッチングガイド 白尾元理著 で最近は月の地形を学習中です。クレーター(火口)という呼び名は一般的ですが、海ほどの大きなクレーター(衝突の後、溶岩が火口底に流れ平原を構成したもの)をベイズンと言うそうです。

「湿りの海」などがそれに該当します。その上にある独立した「ガッセンディー」も見応えのあるクレーターです。重なり方でつくられた順番がわかります。

ティコの光条が現れつつあります。白っぽい反射率の高い火成岩の薄い噴出物なので、光が斜めに当たったときより、正面から当たったときの方が鋭い明るい光が私に返ってきます。これを見るなら満月が一番です。

「シラー」も面白いクレーターです。月に落下した隕石がクレーターをつくったとして、

「正面(90°)から当たったとき真円のクレーターとなり、真横からかすめるように当たったら、ひっかき傷のようなクレーターとなる。その間がほぼ比例するような楕円になる。」

こう考えたら「シラー」は明らかに楕円形です。しかし月には円形のクレーターが多くシラーのように、はっきりした楕円形は珍しいです。月の重力の中心めがけて落っこちてくる隕石が多いのは当然として、なぜ中間体の楕円形が少ないのでしょう。

1970年代の月の成因の研究で、衝撃クレーター(インパクトクレーター)は90°-10°位の角度でもほぼ円形に開くことがわかりました。シラー(180Km×70Km)の様なクレーターは角度2°-3°位で生成されるようです。

mpm1.jpg

地質学的な観点をムーンウォッチングにくわえると、観望時間はぐっと増えます。飽きずに観察を続けられる新たな視点を加えることは価値があります。最近たびたび流星群の予報が一般のニュースでも紹介されます。空気のない月での流星はそのまま隕石になります。今でも新たな地形が作られつつあります。月の影の部分の連続観察で落下したときの閃光を記録することは私たちアマチュアの機材で可能です。

満月が近づくとティコの光条はさらに月面を埋め尽くします。いつ頃出来たのだろう、どんな風にぶつかったのだろう、観察すると疑問も生じますが解決もしていきます。面白いから見ろ!!との強要ではなく、時間が出来たら見ませんか?とのお誘いです。ティコの光条はあと10億年くらいは風化されずに残っているそうですから・・・

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