当麻喜明

流星塵ーあるいは大気浮遊物

2015年11月 8日 | 当麻喜明 | Comment0

001.JPG 2015.11.3 micro meteorite

ワタシカラノキョリは、顕微鏡の世界から宇宙まで、不思議で美しい世界や未知の世界を伝えようと大瀧さんネーミングで始まったサイトです。今日のテーマは雄大です。

Olympus OM-D E-M5 & Ricoh GRDⅣ + Olympus CH 顕微鏡


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自宅屋上で流星塵の捕獲を行いました。スライドグラスには
ごく薄くグリセリン系のハンドクリームが塗ってあります。


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この観察には、高倍率に耐えうる顕微鏡が必携です。顕微鏡は
オリンパスのCH型。イーマイクロ社から入手しました。


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11月2-4日にかけて採集した、8枚の資料から流星塵と思われる
個体です。光を透過せず、10μm 程度の大きさで、真球に近い
ものをここでは流星塵と扱いました。
ー400倍視界をGRDⅣでコリメート撮影ー


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観察は100倍眼視で行い、流星塵と思われる物体には簡易落射照明を
当てて、立体感を読み取ります。
ー100倍視界をOM-Dで拡大法で撮影ー


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採集に利用したグリセリン系のクリームは、バルサム封入で
目立たなくなり、発見後の資料作製としては有効です。
バルサム封入で簡易落射照明を当てると、資料は青っぽく
見えました。


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この方法では、空中浮遊物が捉えられるので、多くはこんな
物体が目にとまります。


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これらの地上起源の浮遊物も面白いです。繰り返し現れるので
顔なじみになりました。大きく、0.1mmくらいです。


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それらしいものを見付けたら、顕微鏡のメカニカルステージで
X-Y情報を記録します。それをスライドグラス大の用紙にプロット
して、多くの資料が観察出来そうなところでバルサム封入します。


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高度100-150kmで、大気との摩擦で減速した数グラムの宇宙起源
の物体が流星として輝きます。プラズマ状態の発光は高度50km
ほどで終わりますが、物質が消滅したわけではありません。
空中で滴(しずく)のように散らばった物質が、再び冷えて
表面張力に従い球体になり地上に降り積もります。これが毎日
絶え間なく起きますが、プラズマ状態→液体→個体の状態変化で、
大きさ0.01mmほどの無数の粒子になり、地上で観察できると
言われます。


この観察で捉えたものが、流星塵として多いNi-Feの物質か、単純
に磁石に着くか等の観察は行っていません。私は流星塵と思います
が、信じられないくらい真球で青黒いような微細な物質が、空気中
に漂っている事実、それが宇宙起源ということには感動です。


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