蓑(みの)に隠れたミノガの幼虫は、その建材からだいたい種類が推定できるようです。人もどんな家を好むか(住むか)で国別や「人柄」がわかる気がします。ごく近い昔のことですが「みの虫」はもっと身近な生き物だった気がします。小さな紙の短冊で新建材の蓑を作らせたり、母は蓑の革で「がまぐち」を手作りしていた記憶があります。
Pentax K5 + DA 1:4 16-45mm ED-AL & Nikon D300
このミノガは建材からニトベミノガのようです。堅そうな小さな枯れ葉や
木の皮などで蓑が作られています。ここに住むニトベミノガの「人柄」は?
私は「野原ノ松ノ林ノ蔭ノ小サナ萱ブキノ小屋」に住んでいる人が好きです。
今日のお話の舞台は、こんな雑木林の公園の瀟洒(しょうしゃ)な木の柵と
鉄柵のレールの上です。
ちょっとオシャレなオオハエトリではなく、
ネコハエトリの・・・
♂の面白い(本人たちには、たいへん切実な)行動です。
生きていくためには「食」さなければいけません。
私に同じに見えても、美味しい生き物が来る場所とそうでない場所が
きっと彼らにはわかるのでしょう。
近づいていった一方の♂は前脚を大きく開き通せんぼをしました。
すると手前の♂も、同じように通せんぼしました。
さらに今度は右脚を高く上げると、相手もしばらくして同じ(右)を上げました。
鏡のように真似たのではなく同じ脚を上げました。
なんとなく勝者です。
今度は勝者は何に使うのか「糸」を吹き出しました。
糸で「縄張り」を造ったのでしょうか。
ここでは昼間アブラコウモリを見ることがあります。
無駄に遊んでいるのでしょうか、生きるために食べているのでしょうか。
こんなに早く先程のネコハエトリの行動を、また見られました。
多分、リーチの長い方が「エライ」ということのようです。
強そうな方が、ぐるっと回り込み、反対側までハンティングの場所に
確保したようです。
相手に交戦を仕掛けて、片方傷付いたら生物の種としての存続に不利でしょう。
明らかにリーチで劣る上のネコハエトリは「逃げるが勝ち」とわかってか、
この場を去りました。
一分の虫にも五分の智恵。
チャバネセセリとウスクモエダシャク。
里山の雑木林の下には、私の知らないお話がたくさん落ちています。
アオオビハエトリ・・・
今度は主役になれるかな。
渡辺 謙 「雨ニモ負ケズ」
追記5/9
ネコハエトリについて興味深いお話を加藤輝代子さんからお聞きしました。
「ネコハエトリのホンチ(横浜あたりで昔、ネコハエトリの威嚇行動を
相撲にみた立てて遊んでいた)の様子がよくわかる写真ですね。
第一脚が同じくらいのオスだと四つに組んで腹部をけるなど、
クモ仲間と熱狂した時を思い出します。クモがあまり好きではない人も
このホンチの動きには見入ってしまう人も多いです。」
加藤先生にはイオウイロハシリグモでも色々教えていただきました。
ありがとうございました!!
コメントする